■ 今 週 の 特 集 ■
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2003.12.09号(民芸品)

山田俊彦氏写真展
■■ 〜第八回・メキシコの民芸品 その2〜 ■■

注:全ての写真の著作権は山田俊彦さんに帰属します。無断でのご使用はご遠慮ください。
写真をクリックすると大きな画像で見られます。

山田俊彦さんのプロフィールはこちら!

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久しぶりの更新になってしまいましたが、大好評の山田俊彦さんの写真展第八回目は、第七回にひきつづき、メキシコの民芸品です。ご紹介しているもののなかで、読者の皆さんの中にも、同じ種類のものを持っておられることもあるでしょう。私はろうそくが大好きなので、メキシコではよくソナロサやセントロのロウソク屋さんに行きました。おみやげ物屋のロウソク立てもとてもしゃれたモノが多く、ついつい買い込んでしまい、それを全部持って帰ってきたので、今もいろんなロウソク立てが家中にあります・・・。

写真に添えられたエピソードや説明は、山田さんにうかがったものです。また、現代の有名作家を網羅した本 Grandes Maestro del Arte Popular Mexicano は民芸品愛好家には欠かせない本です、と山田さんがご紹介くださっています。興味をお持ちの方は是非ご覧下さい。山田さんの収集品の中にある民芸品を作った作家の写真もたくさん載っており、大満足されているそうです。山田さんがご紹介くださっている本はここ↓で見られます。英語とスペイン語があり豊富な写真で民芸品が紹介されています。

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セ リ 族 〜木彫り動物〜

 「ソノラ州Isla de Tibron 付近に住む1000人程の少数民族。

北欧のモダンアートを思わせる様な素朴なしかも洗練された形の動物像。

材料の木材は薬の材料ともなるGuayacan沈む木、鉄の木と言われているチークに似た極めて硬い木で工作には相当な労力を必要とします。

この作品を60年代にメキシコ市でこれを手に入れるのは難しく、且つ高価でした。我が家の5人分を揃えるのに2年も掛かりました。このメキシコに不似合いな美しい曲線の置物は何処に置いても調和するので、目ざとい商人の格好の餌食となり各地で模造品が作られる様になり、今や有名観光地の何処でも簡単に入手出来るようになってしまい、本来メキシコに居ない動物まで作られている。と言っても、この美しさにはかわり無い。しかも同じ形のものが、昔の数分の一の価格で手に入り、本物のセリ族の作品との見分けはつきません。」

参考HP

http://www.nschool.org/museum/museum.html

http://www.uapress.arizona.edu/online.bks/seris/titlseri.htm

ウ イ チ ョ ー ル 族 〜毛糸とビーズ〜

「ナヤリ州に住む人口5万人の彼らは、この作品で有名です。何れも毛糸やビーズを蜜蝋で貼り付けた物で、我が家の品はタンスの虫の餌食となり、襤褸と化しているが、最近は化学接着剤を使用しているので大丈夫。これも観光資源化して、簡単に入手できるが有名人のはかなり値が張っている。最近は動物等の立体的のも多く見かけられる。」

参考HP

http://indian-cultures.com/Cultures/huichol.html

タ ラ ウ マ ラ 族

「チワワ鉄道で有名のシエラマドレ山脈に住む、6万人の種族で、足の速いので有名。

何処の祭りでも必ず使われる太鼓は、鹿の皮で作られた携帯用の軽いものですが、信じられないような大きな音がします。日本では湿気の為に日によって音色が変り、我が家では晴雨計の代わりになってます。

籠は独特の形状と模様で、作りながら売っています。」

参考HP

http://www.tarahumara.com.mx/intro.asp

ラ カ ン ド ン 族

「チアパス州の少数民族。サパティスタ騒動で一躍脚光を浴びるようになった。この笑顔から想像出来ますか?

弓矢は狩猟の目的で鏃がそれぞれ異なるのが面白い。一組買ったが、国内線で、どの国にも融通の利かない頑固者がいて武器の持ち込みは駄目と断られたが、通りがかった機長が「俺が預かる」と、粋な計らいで無事持って来られた。」

参考HP

http://www.geocities.com/RainForest/3134/

セ ル ヒ オ ・ ブ ス タ マ ン テ 氏

民芸品の範疇に入れるのには躊躇しますが、商業的に成功した例でしょう。紙マチェだけでなく、ジュエリーまでも手掛け、国内のみならず全世界に直営店を出している。正にブランド品。初期のものは私も気に入り、価格も手頃で持って帰ろうと思ったのですが、余りにも大きかったので止めてしましましたが、今ではこの大きさのものはとても高くて買えません(写真のみ)。

参考HP

http://www.artsoleil.ch/English/Artists/Sergio_Bustamante/sergio_bustamante.html

梟 ( ふ く ろ う )

「森のあるところ、北極圏から赤道直下まで、様々な愛嬌のある姿の梟が生息し、知恵の神として崇められ、全世界で手に入り形も多種多様。コレクションにしている方も多いです。父が蒐めて居たので目に付くたびにお土産に買ってきた物の一部です。」

蝋 燭 ( ろ う そ く )

宗教儀式、弔い、実用(雷で停電が多いのと食卓用)等各家庭には必ず備えられ、日本と比べ物に為らない程使用され、色々な形のが有ります。夕食に招待された時に、卓上に点灯されると嬉しいです。丸い形の蝋燭は、中近東のデザインで、メキシコオリジナルでは有りません。

山田俊彦さんプロフィール

1967年から3年間、駐在員としてメキシコに滞在。その後、仕事で10回以上,遊びを兼ねて数回訪墨し、滞在期間を合わせると延べ5年間ほどになります。その間撮った写真が数千枚!きっちりPCに保存されていて、お宅を訪問したayaもkanaeもひたすらその整理術に脱帽。。。メキシコ以外の旅行もたくさんなさっており、今一番のお勧めは「チュニジア」。メキシコについては鉄道もお詳しく、今ではほとんど不可能な「メキシコ・列車の旅」をたくさん実現なさったとのこと。音楽から民芸品から食べ物から、何から何までメキシコのことを心から大切に思っておられるのが、暖かなお話ぶりから伝わってきました。

(kanae)


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