■ 今 週 の 特 集 ■
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2002.07.02号(建築)

山田俊彦氏写真展
■■ 〜第四回・メキシコの水道橋〜 ■■

メキシコのアシエンダ写真展第四回目は、メキシコのあちこちで見かける水道橋の特集です。乾ききった大地のイメージの強いメキシコ、やっぱり荒野で暮らすために水を引いてくる必要があったんですね。スペインでも各地で水道橋が見られますが、メキシコに水道橋を持ち込んだのもスペインでした。大きな都市の生活のために作られた水道橋と、個人でアシエンダに引水するために作られたものがあります。個人で水道橋を作ってしまうなんて・・・アシエンダを持っていた大富豪の裕福さがここにも表れています。山田俊彦さんのプロフィールはこちら!

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注:全ての写真の著作権は山田俊彦さんに帰属します。無断でのご使用はご遠慮ください。
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◆◆ ケレタロの水道橋 ◆◆

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全長1260メートル、アーチの数は76。その影も美しい。

 歴史的建造物が多く残り、世界遺産に指定されたコロニアル都市、ケレタロ。ここの水道橋は、その長さと美しさでメキシコでも特に有名です。この水道橋はサンタクルス修道院のために引かれたもので、1783年完成。上の写真からも分かるように、この長いアーチの連続が落とす影すらも非常な美しさです。山田さんがこの写真を撮影した1967年当時はまだ交通量も少なく、アーチとその影をこんなに完璧にフィルムに収めることができましたが、今ではこうはいかないでしょう、とのこと。本当に貴重な一枚!

全長1260メートル、高さ22メートル、アーチの数は76あります。

↑サンタクルス修道院内の水道橋の終点。

↑水道橋全景。

↑夜景がきれい!

 

◆◆ モレリアの水道橋 ◆◆

 昔私も一ヶ月ほど滞在したことのあるモレリア。木の家具や焼き物などの伝統工芸品で有名なミチョアカンの州都で、地方都市らしい落ち着いたたたずまいと、歴史的な町並みが印象的でした。それほど大きな街ではありませんが、中心街のすぐ近くにある水道橋は、市民にとって街の誇りだというのがよく分かりました。1785年完成。街の生活のためにひかれた水道橋です。

↑アーチの間隔が狭く直線部分が短いのが特徴。アーチの数は全部で253あります。

↑全長はケレタロのものより長く、1700メートル。

↑水量は多めだったそうです。

 

◆◆ サカテカスの水道橋 ◆◆

 ここもつい二年ほど前に行ったこともあり、山田さんにお話をうかがいながら、行く前にもっといろいろお話を聞いていたら見方も変わってきただろうなあと残念でした。元闘牛場を使ったキンタレアルというホテルがあり、夜の雰囲気がとても素敵で中を散歩したりしたのですが、山田さんの写真の中に見覚えのある風景を発見したときは本当に嬉しく、いつまでも変わらず美しい町並みを保存しているメキシコに感激しました。

↑ホテル キンタレアルからみた水道橋。手前の広場は元闘牛場。

↑一部、手の込んだ特徴的な橋脚があります。

↑昼と夜。

 

◆◆ アルコス・デル・シティオ ◆◆

 首都DFの北端にあるテポストラン修道院から西に約20キロのところにある、この水道橋は、メキシコでも最大規模のもの。4段構造になっていて、高さも水路の幅・深さとも、メキシコ一。水道橋をいろいろと調べられた山田さんでも、情報不足で終点がどこなのかおわかりにならないそうです。ご存じの方がいらっしゃったら是非情報をお寄せください!!!

↑4段の橋脚はメキシコ最高。

 

↑テポストランの近く、アルコス・デル・シティオでは小さな谷をまたいでつながっています。

↑水路を歩けるんですね! ミニ万里の長城みたい・・・。

↑全景。

 

 

◆◆ アシエンダに引かれた水道橋 ◆◆

 これまでの第一回から第三回の写真展でご紹介してきたアシエンダは、写真からも分かるように荒野にぽつんと(といってもとてつもなく広いのですが・・・)あるので、乾燥したメキシコでは水はこのようなアシエンダで暮らす所有者・使用人たちにとってとても大切なものでした。またアシエンダでは大量の水を必要とする製糖工場や精錬所をもっているところも多かったので、今はこうした水道設備を持つアシエンダをリゾートホテルにし、水の少ない土地であるにもかかわらずプールがあったりするのも、水道橋のおかげなのです。

アシエンダって何?という方は>>>こちら

↑ココヨックのアシエンダを利用したホテルのプール。

↑ピピオルテペック。トルーカ近くにある、アシエンダの水道橋の終点。

山田俊彦さんプロフィール

1967年から3年間、駐在員としてメキシコに滞在。その後、仕事で10回以上,遊びを兼ねて数回訪墨し、滞在期間を合わせると延べ5年間ほどになります。その間撮った写真が数千枚!きっちりPCに保存されていて、お宅を訪問したayaもkanaeもひたすらその整理術に脱帽。。。メキシコ以外の旅行もたくさんなさっており、今一番のお勧めは「チュニジア」。メキシコについては鉄道もお詳しく、今ではほとんど不可能な「メキシコ・列車の旅」をたくさん実現なさったとのこと。音楽から民芸品から食べ物から、何から何までメキシコのことを心から大切に思っておられるのが、暖かなお話ぶりから伝わってきました。

(kanae)


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