■ 経済ニュース ■

2003.01.28号

メキシコ・ペソはイラク情勢の不安を反映して史上最安に

メキシコ・ペソの対ドルレートは国連査察団によるイラク大量破壊兵器査察報告を受けて史上最安値を更新し、アナリストらはメキシコ通貨は今後も中東における戦争の可能性に影響されて不安定な状態が続くだろうと述べた。1月27日のペソの対ドルレートは一ドル10.9ペソとなった。この一年でペソは対ドルで4.72パーセント下落した。(Reuters 2003/1/27)

2002年11月の経済成長率は0.9パーセント、12月の失業率は2.13パーセント−INEGI発表

INEGIはメキシコ経済は2002年11月期に実質年率0.9パーセントの成長率を記録した、と発表した。また、12月の経済活動人口における完全失業率は2.13パーセントとなった。(Notimex 2003/1/24, CNI en Linea 2003/1/20)

メキシコ農業の危機と北米自由貿易協定−農民組織の抗議行動加熱

全国農業労働者連合(UNTA)と全国農民連合(CNC)は、連邦政府が北米自由貿易協定の見直し要求に積極的に対応しない場合、抗議行動を過熱させると警告した。CNCのマウロ・マルケス ケレタロ代表は、北米自由貿易協定の農業関連条項見直しを行うようにとの農民側の要求にフォックス大統領が応えない場合、道路封鎖や国境橋梁封鎖などのより強硬な措置をとる用意があることを示唆した。UNTAのアルバロ・ロペス=リオス代表もこれに同調する発言をしている。(Proceso 2003/1/22)

日立物流、北米―メキシコ間ボーダー物流を強化(転載記事)

日立物流は北米―メキシコ間国境(ボーダー)物流への取り組みを強化する。メキシコの工場で生産した製品を米国および他国に輸出するケースが多様な業種・メーカーに広がりつつあることから、通関・輸出をはじめとする総合的なロジスティクスサービス体制を拡充し、他物流事業者との差別化を図る。日立物流はアジア、米国、欧州エリアで国際物流事業を展開している。製造業の海外シフト急増に合わせて中国を中心とするアジア関連の物流業務に力を入れているが、「メキシコから北米へのボーダー物流ニーズも大きく伸びている」(福士英二社長)という。同社は早くから電機メーカー関連のボーダー物流を手掛けてきたが、今後の新規需要拡大を狙い、サービス体制を強化する。現在、メキシコ国境に近いサンディエゴ、米国国境に近いティファナに倉庫・物流センターを持っているが、両施設の機能を一層高め、新たな顧客開拓を進めたい考え。(日刊工業新聞 2003/1/27)

豊田合成、メキシコに進出−豊田通商の現法子会社化(転載記事)

豊田合成は、豊田通商のメキシコ現地法人でハンドル革巻き加工が主力のタペックス(モンテレー市)を傘下に収め、同国に工場進出した。タペックスが05―06年の稼働をめどに新工場を建設する計画で、メキシコでの自動車部品生産を本格化する。トヨタ自動車が米テキサス州に検討している北米第6車両工場への部品供給をにらみ、同州に隣接するメキシコ進出を決めた。タペックスはもともと豊田通商の米国法人、トヨタツウショウアメリカ(TTAI)が95%を出資し設立。ハンドルやエアバッグなどを生産する豊田合成の米国工場とも取引があった。こうした関係から豊田合成の北米統括会社、TGノースアメリカコーポレーション(ミシガン州)が株式譲渡と新株引き受けにより、タペックスの株式の75%を取得し、子会社化した。(日刊工業新聞 2003/1/27)


2003.01.21号

為替市場でのペソ安傾向はしばらく続くだろうと予測-アナリスト

今年に入ってからのペソの対ドルレート下落は2.11パーセントとなり、年率は16.33パーセントにものぼるため、アナリストらはこのペソ安傾向は今後数ヶ月続くだろうと予測している。為替市場ではドルの対ユーロ安や対イラク戦争への懸念から、ドルが売られる動きもあり、1月17日金曜日にはペソは9.61ペソ/1ドルの終値を付けた。ブルサメトリカ金融コンサルタント社のアナリスト、ミゲル・ガイタン氏は、為替市場に限らず金融市場は当分流動的な動きを続けるだろうと説明した。また、中東不安やベネズエラの政治危機が石油の国際価格をつり上げれば、石油輸出国であるメキシコはこの恩恵を受けることになるだろうと認めた。(Notirmex 2003/01/17)

メキシコ証券取引市場の報告書では為替相場の下落による影響が目立つ

バングアルディア・インベストメント・金融コンサルタント社のロベルト・ガルバン・ゴンサレス社長は、メキシコ証券取引市場に上場している企業が発表する2002年第四四半期の報告書で目立つことになるのは5.8パーセントに及ぶペソの下落による影響となるだろう、との分析を発表した。去年は0.10パーセントのペソ高となっていたのと対照的な結果となると説明した。またメキシコ企業は、大企業から零細企業まで、国内市場及び国際市場の危機によって「非常に苦しい」経験を強いられてきたと指摘。一方でこの状況が教訓となって、こうした「一時的な」影響をよりうまく乗り切ることができている企業もあったと述べた。また、外貨建ての負債を減らしたり、経費削減を計ったり、生産過程の最適化などの戦略も推進されてきた、と説明した。(Notimex 2003/01/19)

墨加間貿易、2002年は3.4パーセント増加

カナダの統計によると、メキシコからカナダへの製品輸出は2002年の1月から11月の間に3.4パーセント増え、米ドルに換算して75億3300万ドルとなった。メキシコからの自動車輸出は2001年の同期間と比べ2.5パーセント増え、輸出総額の42パーセントを占めている。機会の輸出額は総額の36パーセントを占め、やはり3.4パーセント増加した。もっとも増加が著しかったのが消費物資と工業製品の輸出で、それぞれ10パーセントと15.2パーセント増を記録した。(Notirmex 2003/01/17)

メキシコと日本が貿易交渉を開始、農業分野がカギに(転載記事)

メキシコと日本は、3日間の日程で貿易交渉を開始した。日本側は農業分野の市場開放に消極的との懸念があるものの、協定の草案作成をめざしている。 両国の交渉担当者は、来年までに交渉を終えることを目標に、関税、原産国ルール、税関手続きから、競争政策、知的所有権、紛争解決まで、数多くの通商問題を協議する。 メキシコと日本は昨年10月に自由貿易交渉の開始を発表し、この交渉で日本に農業分野での貿易自由化の用意があるかどうかが真に試されるとみられている。 メキシコが94年に北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟して以降、メキシコの輸入に占める日本の比率は、6.0%から4.8%に低下している。同期間のメキシコから日本への輸出比率は、1.6%から0.3%に低下している。 第1回交渉は昨年11月に東京で行われ、年末までに交渉をまとめる計画をたてたが、取扱いの難しい問題も一部にあるだけに、この期限を守るのは難しいのではないか、との指摘もある。 特に農林水産省の当局者は11月の交渉時に、国内生産者保護の観点から、メキシコ産豚肉の輸入関税を撤廃することに難色を示した経緯がある。 メキシコは現在、32カ国と自由貿易協定(FTA)を結んでいる。一方で、日本のFTAは、両国いずれも農業製品の輸出が少なく農業があまり問題にならないシンガポールのみとなっている。(ロイター 1月14日)


2003.01.14号

年末年始をはさんでペソ安はさらに進行

昨年末からペソ安傾向となっていたが、1月13日月曜日にはメキシコシティの銀行窓口で一ドル10.65ペソまで下落している。中銀は外貨建て支払をするための為替レートを国内で10.5368ペソに固定した。(Notimex 2003/1/13)

2002年10月のメキシコ経済成長率は2.6パーセント-INEGI

経済活動総合指標(IGAE)で見たメキシコ経済は、2002年10月に2.6パーセント成長を記録した(年率換算、実質成長率)、とINEGIが発表した。9月との比較ではIGAEは0.65パーセント成長。(Notimex 2003/1/10)

経済相の横顔-企業家兼政治家

カスタニエダ外相辞任、デルベス経済相の外相就任に伴い、現ヌエボ・レオン州知事であるフェルナンド・カナレス氏が新経済相に任命された。カナレス氏は56歳の企業家で、グルポIMSAの大株主。モンテレイ技術大学の法学部を卒業し、経営学修士を持つ。政治活動を始める前にはIMSAの代表取締役を数年間務めた。カナレスは企業部門と密接な関係を保ち続けているが、メキシコの経済政策を指揮するのに必要な経験は不足していると指摘する声もある。モンテレイの産業についての知識は豊富で、通常とても批判的とされるモンテレイの企業家たちからの信頼も厚いという長所があるが、経済学者のような知識はない、と指摘するアナリストも。(Reuters 2003/1/10)