■ 政治ニュース ■

2002.08.27号

フォックス大統領、メキシコ国内の食糧不足撲滅に向けての闘いに呼びかけ

「われわれは食糧不足に対する闘いに敗れ、子どもたちに食料と栄養を与える闘いに敗れることば断じてできない、さもなければメキシコの未来だけではなく現在をも危険にさらすことになるからだ。」Liconsaの新しい栄養強化牛乳「TE NUTRE」の発表に際し、フォックス大統領はこう述べた。また、国民に栄養を与えることができなければ、新しい世代の健康が阻害され、学習能力も低下するため、この問題の克服は倫理的にも社会的にも必要不可欠であるし、メキシコの子どもの5人にひとりはいくらかの栄養失調状態にある、と付け足した。 フォックス大統領は数百人の子どもや母親を前に、だからこそ栄養強化牛乳は国内の数百万の子どもたちを栄養不足から救うための第一歩なのだと訴えかけた。ケレタロ州のLiconsaの工場内で、フォックス大統領は「貧困の局面の中でも最もつらいもののひとつとしてあげられるのが食料面での貧困であり、全国の数百万の乳幼児の栄養失調である。」との認識を述べた。Notimex (ago 26, 2002)

フォックス大統領の南ア訪問を承認

メキシコの通常国会は9月1日から5日にかけてフォックス大統領が南ア・ヨハネスブルグを訪問し、持続可能な発展に関する国際会議に出席することを認めた。CNI en linea (ago 21, 2002)


2002.08.20号

移行期は終わった、とフォックス大統領

第二回大統領教書を提出した直後のフォックス大統領は、自身の政権の移行期は終了したと述べ、社会平和を伴う民主主義への方向付けが確立されたとした。カンクンの教育センターのオープン式典のなかでフォックス大統領は、「私の仕事の第一段階は修正や見直し、訂正、再組織などと大いに関係していた。」と述べた。そして「現在は社会的平和・政治経済的安定をともなった移行期をすごしている。経済は非常に強化されており、社会的にも安定している」と付け足した。政権の第二段階の目標を問われて、大統領は任期の最初の2年のあいだにまいた種を収穫しなければならず、また税制改革や治安・正義などの課題が残っていると指摘した。CNI en linea (ago 19, 2002)

フォックス大統領、テキサス訪問を中止−メキシコ人の死刑執行に抗議して

テキサス州で服役中だったメディーナ死刑囚の死刑執行が、メキシコ側の抗議を無視して水曜日に行われたことをうけて、フォックス大統領は8月末に予定していたテキサスの米国大統領所有の農園訪問を中止した。ホワイトハウスは驚きをもってこの知らせを受け取ったものの、米国大統領はフォックス大統領の意向を尊重し、両者の友情に変わりはないとのコメントを発表した。AP (ago 15, 2002)


2002.08.13号

フォックス大統領、テキサス州に対しメキシコ人の処刑を中止するよう要請

14年前に米国の麻薬撲滅機関の調査員を殺害したとして、死刑執行が決まっているメキシコ人の執行日2日前になって、メキシコのフォックス大統領はテキサス州に対し、減刑を求める申し入れをした。メキシコ・コアウィラ州出身のハビエル・スアレス・メディーナ(33歳)は今週水曜日夕方6時に死刑を執行されることになっている。フォックス大統領はテキサス州知事に宛てた書簡の中で、スアレス・メディーナ事件で人権侵害が行われていたことに深い遺憾の意を表明し、死刑が執行されれば、今月末に予定されている大統領のテキサス訪問に悪い心理的影響を与える、と忠告している。Reuters (ago 12, 2002)

フォックス大統領、在外メキシコ人協議会を設立

フォックス大統領は8月6日火曜日、「在外メキシコ人共同体のための国家協議会」を始動させた。協議会の目的は、9つの連邦機関も巻き込んだうえで、国外に住むメキシコ人に対する政府の関心のレベルを引き上げることにある。大統領は、外国に住むメキシコ人は家族を養うため、また住んでいる社会で一定の居場所を築くために、厳しい労働条件のもとで働いており、それは外国に住んでいる家族のためだけでなく、メキシコ国内に残っている家族のためでもあるので、ひいてはメキシコを支えていることになる、と述べた。この協議会の発足によって、国外に住むメキシコ人との関係は新しい段階を迎えることになる、と強調した。Notimex (ago 6, 2002)


2002.08.06号

ローマ法王の訪問中、連邦特別区政府がストリートチルドレンを倉庫に誘導

複数のNGOによると、連邦特別区政府はソリダリダー広場に暮らす約58人のストリートチルドレンを、ローマ法王がこの場所を通るからという理由で倉庫に移動させた。NGO「カラコル・A・C」のマルティン・ペレス代表は、7月19日に地元政府とDIF、および公安と、NGO団体の代表者の間で会合がもたれ、ローマ法王の訪墨を妨げないようにストリートチルドレンを誘導する方法について合意が行われた。この合意ではどんなかたちの強制退去も否定していたのだが、実際には22日には強制退去が行われる結果となった。
NGOが入手した情報によれば、58人のストリートチルドレンが説得の上フライセルバンド街と国会通りが交わる場所にある倉庫に連れて行かれ、いまも生活の最低必要条件すら整えないままそこに残っている。
「幸いなことに、暴力による強制退去はなかった」と述べ、しかし数名の子どもに対しては倉庫に移動することが強制されたことを残念に思う、とのコメントを発表した。Notimex (jul 31, 2002)

米国のメキシコ系移民がフォックス大統領を非難

米国に暮らすメキシコ系移民は米国の移民受入政策の改革と移民の権利の改善をする試みに失敗したとして、フォックス大統領を批判した。毎年何千というメキシコやその他の国からの移住者が仕事と生活改善を求めて米墨国境を越える。様々な団体の連合がフォックス大統領に送った手紙の中で、「われわれは大統領の移民に対する行動に不満を持っている」と書いている。また連合は「越境しようとして死んだメキシコ人の数は近年増加傾向にあり、また米国内に暮らすメキシコ人の生活状態は改善されていない」と述べているが、明確な数値は出していない。フォックス大統領と米国のブッシュ大統領は昨年の段階で、米国で不法に暮らしている推定350万人のメキシコ人の権利の改善を行う用意があるかのように振る舞っていた。しかし、昨年9月の米国同時多発テロ事件以降、この件は隅に追いやられたままだ。Reuters (ago 5, 2002)