■ 最新音楽ニュース ■

2002.07.30号

第3回ラテン・グラミー賞の候補者決定!

来る9月18日にロサンゼルスのコダック・シアター・センターでの開催が予定されている、第3回ラテン・グラミー賞(全40部門)の候補者が発表された。今年、自ら楽曲を手がけた初の英語アルバム『Laundry Service』で世界的に大ブレイクした“コロンビアの歌姫”シャキーラは、なぜか「最優秀ビデオ部門」のみのノミネート。“シャキーラに続け!”と米国進出に乗り出したライバルふたり、タリアとパウリナ・ルビオ(ともにメキシコ)も、それぞれ「最優秀バンダ・アルバム部門」、「最優秀ビデオ部門」のみに止まった。

一方、コロンビアのバジェナート歌手カルロス・ビベスは6部門、キューバが誇るサルサ界の女王セルア・クルスは4部門と大健闘。昨年のラテン・グラミー賞で話題をさらった男性シンガーソングライター、フアネス(コロンビア)は「年間ベスト・ソング部門」、「最優秀ロック部門」、「最優秀ビデオ部門」の3部門にノミネートされた。他にも、大物プロデューサーのエミリオ・エステファン、ベテラン・ポップ歌手のミゲル・ボセ(スペイン)、共にMTVアンプラグド・アルバムが大ヒットとなった、アレハンドロ・サンス(スペイン)とチリ出身のロック3人組ラ・レイら常連が名を連ねている。

“スーパー・アイドル”ブリトニー・スピアーズ、メキシコ到着

7月27日(土)、28日(日)とメキシコシティの野外ステージEl Foro Solでコンサートを行うポップス界のスーパー・アイドル、ブリトニー・スピアーズが、7月23日(火)の晩にメキシコシティに隣接するメキシコ州のトルーカ国際空港に到着した。スーツケースは全部で15個。予定より一日半早いメキシコ入りで、所属レコード会社EMIと主演映画の配給会社20世紀フォックスのスタッフは変更を知らされていなかったとか…。何とも“お騒がせ”のブリトニー嬢だが、翌日は専属ガードマン4名を従え、メキシコシティの繁華街ソナ・ロサ地区とブエナビスタ民芸品市場でショッピング。夕方からはホテル(一泊27000ペソ!)のジムで汗を流し、マッサージとマニキュアをしてもらったそうだ。今回の公演では2日間で9万人以上を動員することになるが、「こんなに大勢のファンの前で歌うのは初めだから、とても緊張している」と地元紙に告白している。

シャキーラがメキシコ映画の主題歌を担当?

映画制作会社アルタビスタ・フィルムズが、コロンビアが誇る女性ロックシンガー、シャキーラに若者向けの最新作『Amor que duele』(直訳:痛い愛)の主題歌を依頼。関係者によると、すでに脚本と映画の完成版コピーをシャキーラに送ってあるそうで、OKの返事を心待ちにしている状況だ。監督はフェルナンド・サリニャーナで、ラブストーリー軸に「差別」という思いテーマを盛り込んだ作品だそう。


2002.07.23号

アルマンド・マンサネロの最新アルバムに豪華ゲスト

ムード歌謡の名曲『アドロ』の生みの親であり、歌手、プロデューサーとしても幅広く活躍するユカタン出身の音楽家アルマンド・マンサネロが最新アルバムを発表する。すでに数枚のアルバムで、スペイン語圏の多様なジャンルのアーティストたちとデュエット経験を持つマンサネロだが、今回は元メカーノのアナ・トロハ(スペイン)、メキシコのポップス界を牽引するベニー・イバラ、クリスチャン・カストロという、いずれも透明感あふれる歌声が定評の3人に白羽の矢を立てた模様。発売予定は9月。

ラモン・バルガスがローマ法王にフアン・ディエゴのテーマを献歌

メキシコが世界に誇るテノール歌手、ラモン・バルガスが、今月末に5度目のメキシコ訪問を果たすローマ法王ヨハネ・パウロ2世の前で歌声を披露することになった。8月31日に、メキシコシティ郊外のグアダルーペ寺院で行われるフアン・ディエゴの列聖式(聖人化するための儀式)で、「栄光の歌」と題されたフアン・ディエゴのテーマ曲をはじめ数曲を披露する予定。今年で歌手生活20周年を迎えたバルガスは、奇遇にも9歳のときにグアダルーペ寺院でデビューを飾っている。
※フアン・ディエゴ:1531年、数回にわたってグアダルー聖母のお告げを聞いた先住民のの村人。


2002.07.16号

エンリケ・イグレシアスが9月に最新アルバムをリリース

2枚目の英語アルバム『Escape』(2001)で、熱狂的な女性ファンを世界中に増殖させたスペイン人シンガー、エンリケ・イグレシアス(26)が、4年ぶりに母国語(スペイン語)アルバムを発表する。発売予定日は9月17日だが、タイトルは未定。一曲を除く全曲を自ら手がけ、プロデューサーとしても名を連ねている。現在、ロンドンに滞在しており、すでに700万枚の売上を突破している『Escape』のプロモーション活動と並行して、最新アルバムの最終的な仕上げを行っている。なお、シングル第一弾『Mentiroso』(メンティロソ=嘘つき)はロマンティックなボレロ曲。今回もお得意の甘〜い歌声で母性本能をくすぐりまくりなのだ。同曲は7月22日より米国ラジオ局でオン・エアーされる。

ローリング・ストーンズのメキシコ公演決定!

来年の2月初旬に英国のスーパー・ロックバンド、ローリング・ストーンズがメキシコ公演を行う。すでに米国40ヵ所で公演が決まっている世界ツアー(“The Rolling Stones World Tour 2002/2003”)の一環で、具体的には2月4日、5日または6日、7日の2daysを予定。会場は、前回同様、メキシコシティの野外ステージel Foro Solが有力だ。なお、彼らがメキシコを訪れるのは今回で3度目。


2002.07.09号

バンダ・レコドが新曲ビデオを亡きマリリン・モンローの邸宅で撮影

ワールドカップの開催にあわせて日本入りし、大分と新潟でコンサートを行ったメキシコ北部(シナロア州)出身の大編成バンド(メンバー総勢16名!)、バンダ・エル・レコドが最新アルバムの制作を進めている。先週、シングル第一弾のビデオ・クリップが、ロサンゼルスにあるマリリン・モンロー邸で撮影された。今回のアルバムは、メキシコ音楽界に君臨する“ランチェーラ界のドン”ことビセンテ・フェルナンデスの長年の功績を称えるため企画されたが、バンドのメンバーによると、「ハリウッド史上に残る大女優であり、絶世の美女でもあったマリリン・モンローの邸宅をロケ地に選んだのは、女性ファンに対する僕らの敬意の表れなんだ」とのこと。さすがはマッチョな色男(?)集団。彼らのステ−ジは、熱狂した女性ファンから“おひねり”ならぬ“ブラジャー”が飛び交うことで知られているが、まさか日本でも…。

アレハンドロ・フェルナンデスがケレタロでコンサート

父親のビセンテ・フェルナンデスとともにランチェーラ界を第一線で支えているアレハンドロ・フェルナンデスが、メキシコシティに隣接するケレタロ州のサン・ファン・デル・リオ祭りにゲスト出演。若い女性ファンを中心とした4500人の観衆を前にヒット曲を熱唱し、熱い視線と大声援を浴びた。途中、舞台に上がった少女から花を渡される一幕も。

リッキ−・マ−ティンの最新シングルが11月にお目見え

年末リリ−スを目標に、もっか英語アルバムの制作に専念しているプエルトリコの人気者リッキ−・マ−ティンが、アルバム発売に先駆け、11月にニュ−・シングルを発表する。今回もリッキ−の代表作を数多く手掛けてきた同朋ロビ−・ロサ(少年アイドル・グル−プ、メヌ−ド時代の仲間。現在、ソロ・アルバムをレコ−ディング中)が、プロデュ−サ−兼作曲家として参加。公式発表ではないものの、ゲスト・ミュ−ジシャン候補として、カリ−ニョス・ブラウンやカエタノ・ベロソらブラジル人ア−ティストにアプロ−チを試みたという噂あり。なお、かつて大ヒットしたハリウッドのダンス映画『ダ−ティ・ダンシング』のリメイク版や『Havana Night』と題されたラテンものへの出演が決まったと一部で報じられたが、リッキ−の広報担当は事実を否定している。


2002.07.02号

アレハンドロ・サンスが打倒!海賊版宣言

去る日曜日に行われたマイアミ公演を最後に、米国主要都市でのプロモーション・ツアーの幕を閉じたスペインのシンガーソングライター、アレハンドロ・サンスが、「音楽産業に莫大な被害をもたらしている」と海賊版CDを批判。「違法で売られているコピー盤を厳しく取り締まらなければ、音楽産業の利益減少だけでなく、同部門で失業者を生み出す恐れがある」と語り、撲滅に向けて闘う決意を示した。サンスによると、スペインにおける海賊版産業はおよそ2億3600万ドルなんだとか。
なお、今回のプロモーション・ツアーを成功させたサンスは、メキシコ人モデルのヘイディ夫人と今月1歳の誕生日を迎える愛娘マヌエラちゃんの待つスペインの自宅で数ヶ月過ごした後、再び米国南部で公演を行う予定。

メキシコ・ロック界の大御所エル・トリの熱きロック魂と信仰心

結成34年の大ベテラン・バンド、エル・トリが35枚目のアルバムを制作。先日、シングルカット第一弾となる「Solamente Dios」(神様だけ)のビデオ撮影をある教会で行った。祭壇に置かれたネオン装飾のマリア像に見守られ、リーダーのアレックス・ロラが御馴染みのだみ声でシャウト。その横では紅一点メンバーである彼の愛妻チェラが情熱のダンスを舞う。「エル・トリの音楽は粗野で現実主義的だけれど、いつも神秘的な何かがある。グアダルーペ聖母に捧げた曲など、スピリチュアルな楽曲でも“ガンガンのロック”なのが彼らのスタイルなんだよね」とは音楽関係者の弁。