■ 経済ニュース ■

2002.07.30号

2003年以降のインフレ目標を3パーセントに設定-メキシコ中銀

ギジェルモ・オルティス メキシコ中央銀行総裁は、2003年以降は長期的に、プラスマイナス約0.1パーセントの範囲内でインフレ率を3パーセントに抑えることを目指す、と発表した。「インフレに関する報告」の発表の中で、長期的かつ恒久的な目標である3パーセントという数字は構造改革法案のいずれかが承認されるかされないかといったことには影響を受けない、と述べた。また、2003年には、米国経済が3.5パーセントの成長を予測しているのに対し、メキシコ経済は4パーセント成長を実現するだろうと述べた。CNI en Linea (2002/07/29)

クライスラー社、世界的不況により600人を解雇

7月11日、クライスラーグループは不況によるリストラとして、関連会社を閉鎖することになった。クライスラー社によると、全労働者のうちトルーカにある関連工場に雇われる者もいるが、早期退職プログラムにより職を失う者が約600人。彼らのために、クライスラー側は再就職支援を行うとのこと。クライスラー社は米国の経済不況の影響により、カナダ、米国、他のラテンアメリカの工場を閉鎖し、メキシコの工場も閉鎖されることとなった。( El Universal / 27 de julio 2002 / Mexico)


2002.07.23号

障壁排除のためメキシコのマグロに「環境ラベル」

農業水産省のブランカ・ビジャレジョ大臣は、メキシコは米国とEUでは環境上の問題から事実上輸出禁止となっているマグロの貿易障壁を克服することを期待していると述べた。メキシコ政府はそのために今後マグロに「ドルフィン・セーフ」という名前のラベルを付けることになる。このラベルはイルカ保護計画のための国際合意で保証されているもので、マグロ漁がイルカを傷つけたり殺したりすることなく行われたことを保証するものである。La Jornada (jul 22, 2002)

メキシコ企業の債務は国内総生産の10パーセント相当に

ドルの対ユーロレートが低下したことの影響を強く受けて、メキシコ経済において特に強い影響力を持つ民間企業の対外債務が514億2300万ドルにのぼり、これはこれらの企業の負債の50.2パーセントを占め、メキシコの国内総生産の10パーセント強に相当する額になる。
すべてメキシコ証券取引市場に上場している企業になるが、国際金融史上におけるドル相場の変動に最も影響を受け易いものとしては通信・運輸に関する分野の企業である。メキシコ海上交通の場合は、その債務全体の80パーセントが対外債務であり、その額は株式の50.9パーセントを占める。同じような状況は通信会社や建設会社にも見られる。La Jornada (jul 22, 2002)

日本メキシコ自由貿易協定「来年中にも締結」(転載記事)

メキシコのホルヘ・カスタニェダ外相は17日、昨年から両国が共同研究を続けてきた日本とメキシコの自由貿易協定(FTA)について「今年10月末にも本格協議を始め、順調に行けば来年中に締結する」との見通しを明らかにした。協定はまだ構想段階だが、トップ級の当事者が具体的な日程のめどを公表したのは初めて。(毎日新聞)7月18日


2002.07.16号

外国資本がメキシコを「買収」

過去5年間の間に、数十のメキシコ資本の企業が外国資本の手に渡ってきた。その買収額は340億ドルにのぼるとされる。たとえば、銀行のうち89パーセントはスペイン・米国・カナダの資本に支配されており、テキーラの主要な製造会社のうち6社はすでにメキシコ資本の管理下になく、大手の保険会社もまたヨーロッパや北米の資本に売り渡された。
最も大きな買収はシティグループによるバナッシ・グループの合併だったが、これはOECDのデータによると2001年で最も金額の大きな買収劇だった。
2002年についても、ほとんど全ての分野において14の取引が進行中で、50億ドル相当の買収が行われる見込みだ。
民間部門は企業の外国資本への売却はグローバリゼーション時代の兆候であり、メキシコへの投資を引きつけ雇用を増やすことになるのだから心配はいらないと考えている。しかし、専門家らはこうした自国企業の「外国企業化」に警鐘を鳴らしている。Reforma, (jul 15, 2002)

フォックス大統領、最低賃金を「(生活に)足りない」と認める

フォックス大統領は土曜日の定期ラジオ番組”Fox Contigo”のなかで、賃金の回復はとくに農村地域で緊急命題であり、インフレ率が賃金の上昇率を上回らないようにしなければならない、と述べた。メキシコの賃金は極端に減少しており、その購買力では家庭の必要を満たすことはできないと認め、ある程度回復の兆しは見られるものの、もうしばらくは切りつめた生活が必要になるだろうと述べた。CNI en linea (jul 13, 2002)

メキシコの消費パターンは日本やフランスと似ている、とメキシコ中銀

メキシコの消費パターンは日本やフランスと言った先進国の消費パターンと似通っている、との調査結果をメキシコ中央銀行が発表した。調査によると1963年にメキシコ人は総収入の42.2パーセントを食費・飲み物代・タバコ代に充てていたが、2000年にはそうした財の購入に充てられる割合は23.2パーセントとなり、現在では住居や教育、気晴らしにより多くのお金を使うようになった。メキシコ人の生活水準が上がるに連れて、主に食料からなる基礎消費財に費やされる金額は減り、耐久消費財や余暇、ペットのための食費といったものにより多くの金額が使われるようになった。La Jornada, (jul 12, 2002)


2002.07.09号

メキシコは1.8から1.9パーセントの年成長率を達成する見込み

ギジェルモ・オルティス メキシコ中央銀行総裁は、メキシコは2002年、第一四半期の強い不況にも係わらず、1.8パーセントから1.9パーセントの年経済成長率を達成する見込みであると述べた。スイスのバーゼルにある国際決済銀行の年次総会に出席中のオルティス中央銀行総裁は記者団に対し、「第二四半期は1.5から2.0パーセントの成長率が期待でき、下半期はより高い成長率が期待できるため、年間を通じては1.8から1.9パーセントが期待できるだろう」と述べた。El Economista (jul 8, 2002)

フォックス大統領、メルコスールとの自由貿易協定交渉に向けての合意に自信

フォックス大統領はメルコスールおよびチリ・ボリビアとの会合で、自由貿易協定締結に向けて交渉を開始するための合意を取り付けたと述べた。この自由貿易協定が実現すればラテンアメリカ諸国が世界と行っている交易の80パーセントに相当し、30億以上の消費者を抱える経済地域となる。フォックス大統領は今回の合意は「戦略的決断」であると評価し、メキシコの存在に重要性を与える明らかな兆候であるとした。「メキシコはその経済力において明らかに他国と一線を画しており、最も安定した、購買力のある非常に大きな市場であり、世界中がメキシコ市場へのアクセスを狙っている」と述べた。Notimex (jul 5, 2002)

自由貿易協定、農業分野除外せず=農水相が日本経団連に表明(転載記事)

 武部勤農林水産相は8日、日本経済団体連合会の奥田碩会長らと懇談した。席上、農水相は日本が韓国やメキシコと推進しようとしている自由貿易協定(FTA)について、「農業分野を除外する考えはない」との考えを改めて示した。
 日本経団連は世界貿易機関(WTO)農業交渉に関して、「経済立国としてリーダーシップを発揮し、交渉を進めるべきだ」と主張した。
このほか、農水省は今後の行政の基本方針を示した「『食』と『農』の再生プランNotimex)」を説明。これに対し、日本経団連は多くの若者が農業に触れる機会を設ける「国民皆農」を提案した。 (時事通信)7月8日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020708-00000620-jij-bus_all

メキシコとブラジルが協定に調印(転載記事)

メキシコとブラジルの両大統領は3日、ブラジリアで農産品152、工業産品640品目の関税撤廃を目指す自由貿易協定に調印した。94年に米、カナダと北米自由貿易協定(NAFTA)を結んだメキシコは欧州連合とも自由貿易協定を結んだばかりで、総輸出額の85%が米国向けという対米依存からの脱却を図っている。(毎日新聞)[7月5日]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020705-00002153-mai-bus_all


2002.07.02号

アルゼンチンとブラジルの経済状態がメキシコにも影響を及ぼしている、とフォックス大統領

フォックス大統領は、メキシコの経済状態は安定しているとしながらも、アルゼンチンとブラジルの経済的困難がメキシコへも影響を及ぼしはじめた、と認める発言をした。また、南米共同市場(メルコスール)加盟国の大統領に求められれば、以前にも務めたことのあるブッシュ大統領との間の交渉人になる用意がある、と述べた。クラリン紙の取材に答えた。フォックス大統領は今週ブエノスアイレスを公式訪問する。AP (jun 26, 2002)

4月の製造部門の雇用は5.5パーセント減少、とINEGI

製造業における雇用者指標は2002年4月期で昨年同時期と比べ5.5パーセント減少した、とINEGIが発表した。INEGIは工場労働者では5.9パーセント、会社員では4.7パーセントの減少であったとの内訳を発表している。Reforma, Ciudad de Mexico (jun 26, 2002)

ペソの対ドルレート悪化はきわめて「ノーマルなこと」である、と中銀総裁

オルティス=マルティネス・メキシコ中央銀行総裁は、ここ数週間で一ドル10ペソを超えたペソの下落は、ごく「ノーマルなこと」であると述べた。国際金融市場全般で過去8週間、ペソが不安定であったことを認めた。総裁はこのような状況の原因は、中東情勢や米国のエンロン事件などの政治地理的な要素にあるとしている。こうした要因全てが重なって投資リスクへの懸念を高め、ユーロが下落し、南米アルゼンチンの経済危機を引き起こしたと述べた。またブラジルでも近々大統領選が行われるために不安定要因があるとし、「ラテンアメリカ全体に対する危機感が高まっている」と指摘した。Notimex (jun 27, 2002)