■社会ニュース■


2002.04.30号

テロ事件後、米国における移民者への嫌がらせが増加

メキシコから米国へ渡った移民者が、昨年のテロ事件以降現在も、米国政府により不正な圧力がかかっているという不満が多く寄せられている。カリフォルニア州にある、メキシコのイダルゴ州出身の移民者を保護している協会のコーディネーターによると、米国に人生の半分以上を過ごしている移民者に対しても、アメリカ政府はテロリストに対するような目で彼らを見ているという。協会は、カリフォルニア州政府と話し合いを持ち、米国の法律知識などを理解しながら、問題が起こらないように対処していきたい、とコメントしている。成功を夢見て米国へ渡る移民者は後を絶たないが、米国での就労ビサ取得などは大変厳しいのが現実だ。この3年間でイダルゴ州から米国へ渡ったのは150,000人にのぼり、移民先の主な州はカリフォルニア、テキサス、フロリダ、ジョージアである。(El Universal / 27 de abril de 2002 / San Francisco, U.S.A)

メキシコフォークダンスでセントロフェスティバル閉会

50年間続いたセントロ・イストリコ・フェスティバルが4月28日、メキシコフォークダンスのショーとともに閉会する。経費的にこのフェスティバルの存続が難しい、というのがその理由。この閉会式のために約60のダンサーと50人のマリアッチミュージシャンや合唱団が参加する予定。「Sones de Michoacan」、「Aniguos sones de Michoacan」、「Matachines」、「La Revolucion」、「Boda en la Husteca」などの演目が踊られる予定。(El Universal /27 de abril de 2002 / Mexico)

米国ヒューストンの空港で働くメキシコ人労働者が一斉捜査のターゲットに

米国のローカル空港で働いている約400人メキシコ人が、就労ビザや就労許可証の不備により、一斉捜査のターゲットとなっている、とヒューストンにあるメキシコ領事館が金曜日に発表した。「彼らは逮捕され、法によって罰せられることになるだろう」とは領事のエンリケ・ブフ・フローレス氏。
フローレス氏によると、ヒューストン空港で働いているメキシコ人たちは居住に関して問題を抱えており、そのために移民証や就労許可証に不備が生じてしまっているらしい。「それらの証明書に不備がある者は逮捕されてもしょうがない状況であり、私達はフローレス氏と協力して、それらの人々に、捜査が行われる前に職を離れるように、と呼びかけている」とはアメリカ人弁護士のシェルビー氏。


2002.04.23号

メキシコ国公立大学、職員の退職金凍結

ANUIESによると、メキシコ国公立大学は1,250億ペソの赤字を抱えている。これにより、一部の大学では、退職者への退職金の支払いが凍結される見通しである。(Grupo Reforma / Ciudad de Mexico / 21 abril 2002)

レストラン経営者達、新しい商業に関する法律を拒否

レストラン経営者が形成しているメキシコレストラン協会(AMR)は新しい商業法について、内容を守ることは不可能だと発表した。その代わり、協会はそれに対抗するものとして都市開発に関する条項を示した。(Grupo Reforma / Ciudad de Mexico / 21 abril 2002)


2002.04.16号

2万人もの若者によるテクノ音楽の祭典と「ラブ・パレード」

少なくとも2000人ものテクノミュージックに心酔している若者たちが、4月13日、メキシコシティの主要大通りを行進し、コンスティトゥシオンプラザへ向かった。 そこでは大掛かりなテクノミュージックの祭典が開催さた。スピーカーを積んだ大型ワゴンを先頭に、何十もの若者グループが思い思いに着飾ってテクノミュージックのリズムにのって行進(ラブ・パレード)が行われた。

警察当局はこの若者達によるテクノミュージックの祭典とラブ・パレードの実現に対して難色を示していたが、実行グループはこれを文化的行動ではなく、政治的デモ行進として実現することに成功した。政治的デモ行進は警察は禁止することができないからである。そうしてこの行事は数年前から行われている。

この祭典にはこれから日曜日の未明にかけて約20000人もの若者の参加が予想されている。(El Universal / Ciudad de Mexico / Sabado 13 de abril de 2002)

メキシコの警察署長と40人の警察官が麻薬組織との贈収賄の罪で逮捕

メキシコの国境の町、ティフアナの警察署長と約40人の警察官が麻薬絡みの贈収賄の罪で逮捕された。米国の国境にあるバハカリフォルニア州から来た約200人の警察官が彼らが警察学校で訓練を行っているところに踏みこみ、約40人が逮捕されメキシコシティに送還された。

その逮捕者の中にはカルロス・オタル、ティフアナ警察署長も含まれており、ティファナはアレジャーノ・フェリス一家が支配する麻薬組織がベースとしている町である。この組織はリーダーのベンジャミン・アレジャーノ・フェリスが先月逮捕され、その弟のラモンが2月に警察との銃撃戦で死亡してから内部が混乱状態にあり、米国マーケットへの麻薬販売行為を維持するため、警察との関係を築き上げようとしていた。

メキシコにおいて麻薬組織と警察の癒着は珍しいことではなく、昨年末に行われたカルテルのリーダー、フアレスの娘の結婚式ではシナロア州警察がそのガードを行っていた。

米国の麻薬対策本部(DEA)によると、ラモン・アレジャーノ・フェリスを殺した警察官は、そのライバル組織の幹部であるイスマエル・エルマジョ・サンバダに賄賂をもらっていたと考えている。エルマジョは麻薬売買人として指名手配リストのトップに挙げられている人物である。(The Mexico Daily / Los Angeles / 12 abril 2002)


2002.04.08号

予算削減は社会部門のプログラムに影響せず、と政府

フォックス大統領はテレビのニュース番組エチョス(Hechos)でのインタビューに答えて、今年101億ペソ(約11億1千万ドル)削減されることになった予算は、社会プログラムには影響せず、政府機関の内的消費だけに影響する、と述べた。財務省が2日発表した予算削減は石油価格低迷および財政収入減少によるもの、と説明した。
財務省の財政収入は今年の第一四半期には17億ペソ(1.8億ドル)を下回ると予測されており、期待されていた額の5パーセント減となっている。AP (abr 3, 2002)

メキシコは国内総生産の6.6パーセントを教育に投資

メキシコ公教育省とBBVA-BANCOMERが共同出資した奨学金、「幼児知識オリンピック」の授与式を主催したフォックス大統領は、メキシコは国内総生産の6.6パーセントを教育に投資しており、これは去年の5.5パーセントを上回る数字で、国連が世界目標としている8パーセントに到達するだろう」と述べた。国内総生産は「すでに世界9番目のレベルにあり、これによって選挙キャンペーンで公約した国連目標の8パーセントを実現したいと思っている」と付け足した。Notimex (abr 4, 2002)


2002.04.01号

メキシコにおける幼児買春旅行者が増加。買春旅行客の出身国は主に米国、カナダ、ドイツ、イタリア、スイスなど。

インターネットを通じ、クレジットカードを使えばメキシコの買春ツアーに申し込みができるページがあり、その中には幼児が対象になっているものも存在する。「メキシコと中米における交通、売買春、ポルノ、幼児ポルノについての地域調査」では、幼児買春ツアーのプロモートはほとんどがインターネットで行われていることが報告されている。このような実態はコロンビア、ブラジル、ドミニカ共和国、メキシコ、ベネズエラ、コスタリカで起きており、ツアーに参加する旅行者の主な出身国はアメリカ合衆国、カナダ、ドイツ、イタリア、スイスである。Espacios de Desarrollo Integral (Ediac)という、幼児売春の保護を行っている組織の代表を務めるノルマ・ネグレテ女史は、今まで、幼児売春の犠牲者となるのは貧しい家庭の子供、と認識されていたが、いまやその犠牲者は社会的、経済的状況に関わりなく、広く一般の子供にも広がっている、と指摘している。 あるHPでは買春ツアー参加者による自分の体験をコーナーもあり、ティフアナ、ヌエボ・ラレド、メキシコシティ、アカプルコ、フアレス、コスメル、マサトラン、カボ・サン・ルーカスなどの地域がその体験記の中であがっている。(El Universal / Sabado 30 de marzo de 2002)

復活祭を祝うキリスト教徒のソカロへの行進により交通渋滞

メキリストの復活を祝う数百人のキリスト教徒たちがパセオ・デ・レフォルマを経由しソカロへ更新した。そのため、メキシコシティ内の交通機関はその経路を変更している。ソカロでのお祝い行事は、一晩中、行われる。
※ 復活祭は今年は3月31日。カトリックでは太陰暦を使用するため、復活祭の日程は毎年変わる。
(El Universal / Ciudad de Mexico / Sabado 30 de marzo de 2002 )