■ 最新音楽ニュース ■

2001.11.19号

祝!アレハンドロ・サンス、スペイン人初のMTV Unpluggedアルバム

アレハンドロ・サンスのアンプラグド・アルバムが先週発売となった。スペイン語圏では、マナ(メキシコ)、シャキーラ(コロンビア)、ラ・レイ(チリ)らに先を越されたとはいえ、スペイン人として初の快挙。前例にもれず、本人によって厳選された楽曲がアコースティック調にアレンジされている。今年の10月3日にマイアミで収録。本番で使用したギターの調律がなされていなかった、というハプニングに見舞われたものの、持ち前の人懐っこさで場を和らげたサンス。新米パパである彼は、「アーティストとして、(アンプラグドに参加できたことを)とても光栄に思っている。忘れ去られていた作品に再びスポットを当てられたことが何よりも嬉しい。娘が成長したとき、このアルバムを聴いて誇りに思ってくれたら…」とコメント。ちなみに、先月発表された第二回ラテン・グラミー賞で主要4部門を獲得したアルバム『El Alma al aire』は、すでに200万枚のセールスを突破している。

大編成バンド「バンダ・レコド」のステージに大熱狂の女性ファンたちからブラジャーの嵐!

11月13日、メキシコシティのパラシオ・デ・ロス・デポルテスにてメキシコ北部生まれの音楽“ムシカ・ノルテーニャ”(アコーディオンや管楽器が特徴)の祭典が開かれた。大手テレビ局「テレビ・アステカ」が主催したもので、大物バンドが多数出演。特に注目を浴びたのは、12番目に登場したバンダ・エル・レコド。シナロア出身の16人編成バンドで、第二回ラテングラミー賞の同ジャンル(バンダ部門)を制した実力派だ。午後4時の開演からすでに5時間が経過していたが、彼らが姿を現すと観衆は大興奮。ダイナミックな演奏に、女性ファンの多くは紙テープならぬブラジャーを飛ばし、ボーカル担当は投げキッスで応じていたという…。さすがは濃厚なノルテーニョの世界。カップルで観に来た客も少なくなかったハズで、“彼女たち”の熱狂ぶりに対するマッチョなメキシコ男たちの反応が気になるところ。

テクノポップスの人気デュオ「センティードス・オプエストス」、汗と涙の解散公演

メキシコの人気ユニット「センティードス・オプエストス」が9年間の活動に終止符を打とうとしている。女性ボーカルのアレサンドラ・ロサルドと、キーボード兼コーラス担当のカチョ・ガイタンからなる2人組は、これまで計5枚のアルバムを発表。若者向け人気ドラマの主題歌をはじめ、ダンス音楽を中心にヒットチャートをにぎわしてきた。7月にスタートした解散ツアーも終盤へと突入。先週末に行われたメキシコシティのアウディトリオ(一万人収容)での2days公演では、10台の巨大スクリーンを設置し、10名近いバック・ミュージシャンと6名のダンサーを従えて渾身のステージを繰り広げた。総立ちになったファンが、ノリノリの楽曲に合唱と踊りで応え、文字どおり“汗と涙”の2時間半となった模様。


2001.11.19号

リッキー・マーティンの強力ブレイン、ロビー・ロサが表舞台に復帰

98年にフランスで開催されたワールドカップのテーマ曲『Copa de la Vida』をはじめ、リッキー・マーティンに数多くのヒット曲を提供してきたロビー・ロサが、先週末に母国プエルトリコでコンサートを実施。リッキーとともに在籍した少年アイドル・グループ「メヌード」脱退後、ソロアルバムを数枚発表しているが、音楽プロデューサーとしての活躍の方が目立っていた。チケットは一ヶ月足らずで完売。詰めかけた1万人以上のファンから熱烈な歓迎を受け、“シンガー、ロビー・ロサ”の根強い人気を証明した。なお、本公演はリッキー・マーティンのマネージメントを手がけるアンジェロ・メディナの後押しで実現となった。

シャキーラがマイアミで最新アルバムのサイン会を実施

コロンビア出身のシンガーソングライター、シャキーラが米国のマイアミ・ビーチにてサイン会を開いた。最新アルバム『Laundry Service』の発売を記念したイベントで、14時のスタートにも関らず、会場となるレコード店前には10時すぎから何百人ものファンが詰めかけていたという。予定より一時間遅れで登場した歌姫は、ぴったりとした茶色のパンツに黒のニット帽というスタイル。金髪に染めた髪の毛に部分的に黒いメッシュを入れていた。1000名にものぼる人々は憧れのスターを目にして大興奮。会場付近は予想を上回る混乱状態となり、サイン会が一時間延期されたほど。サインをもらおうとポスター持参でやってきたファンや、ビデオやカメラを手に群がるファンが大勢いたが、サインはCDジャケットのみで写真撮影は禁止となってしまった。ちなみに、マスコミ関係者が「アントニオは元気かい?」と恋人アントニオ・デ・ラ・ルア氏について訊ねたところ、「元気よ。みんなによろしくって」とサインしながら答えたとか。シャキーラは今後もキャンペーンで米国各地を訪れる予定だ。

アメリカン・ミュージック・アワードのノミネート者が発表

来年1月9日に授賞式を予定している第29回アメリカン・ミュージック・アワードの候補者(全21部門)が発表になった。年間ラテン・アーティスト部門は、エンリケ・イグレシアス、シャキーラ、ジャシー・ベラスケスの三つ巴合戦。受賞者は二万人以上の一般人による投票結果で決められる。


2001.11.12号

オマーラ・ポルトゥオンド(B.V.S.C.)が約1年ぶりのメキシコ公演

「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の紅一点メンバーであり、ソンやボレロといった母国の伝統的な音楽ジャンルを中心に、持ち前の豊かな表現力と歌声で世界中のファンを魅了するオマーラ・ポルトゥオンド(71)が、来る11月14日にメキシコ公演を行う。会場となるのはメキシコシティ旧市街地(セントロ)に位置するべジャス・アルテス(国立芸術院宮殿)。国内一と名高い民族舞踊団が定期的に公演を行うことで知られ、“実力と芸術性の高さが認められたアーティストのみステージに立つことを許される”という由緒正しき場所だ。同胞の実力派ミュージシャンを従えての本公演は、同国の文化機関(INBAおよびCONACULTA)が全面的にバックアップしている。
あと数年で歌手生活60周年を迎えるオマーラは、1950年代後半に初めてメキシコを訪問。テレビやラジオ番組に多数出演し、早くからその名を知られていた。同名映画(ヴィム・ベンダース監督)の大ヒットにより、各地でキューバ・ブームを巻き起こした「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」結成後は、1999年(「アフロ・キューバン・オールスターズ」がグアナファト名物である国際セルバンテス祭に参加した際、ゲスト出演)と今年の1月に二度来墨を果している。

ベスト・アルバムが好評の“イタリアの歌姫”L.パウシーニ、世界制覇は近い?!

数ヶ月前にマイアミで幕を明けた世界ツアーの一環として、11月9日と10日にメキシコシティでコンサートを行ったラウラ・パウシーニ。今回のツアーでは、メキシコでの2公演を含め、全公演ソールド・アウトという、デビュー以来初めての快挙を達成している。初のベスト・アルバムをリリースしたばかりだったこともあり、構成はヒット曲が中心。ファンとの距離をできるだけ縮めたいと、一万人収容のアウディトリオや野外ステージといった大規模な会場ではなく、メトロポリタン劇場での公演となった。母国語だけでなく、スペイン語、英語、フランス語、ポルトガル語でのレコーディングに挑み、エルトン・ジョンやマイケル・ジャクソン、セリーヌ・ディオンら大物アーティストとの競演を果すなど国際派アーティストとして着実にキャリアを重ねてきた彼女は、来年2月に最新アルバムの発売を予定。快進撃はまだまだ続きそうだ。

療養中のアレハンドラ・グスマンの最新アルバムがプエルトリコでNo.1!

2週間ほど前、最新アルバム『Soy』のプロモーション活動を行っていたロサンゼルスで体調不良を訴え、腎臓結石による尿道感染と診断されたメキシコの女性ロックシンガー、アレハンドラ・グスマン。退院後、メキシコシティ内の自宅で療養生活を送っていた彼女に嬉しいニュースが届いた。前述のアルバムが好調な滑り出しを見せているのだ。国内の大手CDシップMIX-UPの売上トップ10はもちろん、プエルトリコではNo.1を獲得。ラジオでもリクエストが続出しているとか。回復が順調に進めば、当初の予定通り、今週中にも同国をプロモーションで訪れる。


2001.11.04

キューバの大御所パブロ・ミラネスが「死者の日」にソカロで熱唱

キューバのシンガーソング・ライター、パブロ・ミラネスが、去る11月2日の夜、メキシコシティの憲法広場(ソカロ)でコンサートを実施。何千人にも及ぶカップルや家族連れが寒さで肩を寄せ合ながら、その甘い歌声に酔いしれた。なお、この日は「死者の日」(日本のお盆に相当する)にあたり、“死者たち”を迎えるべく、ソカロの一角では先住民族の伝統的な舞いが繰り広げられた。

第2回ラテン・グラミー賞はコロンビア勢が5部門を制覇!

米国を襲った同時多発テロ事件により、授賞式が開催中止に追い込まれた“2回ラテン・グラミー賞”の受賞アーティストが発表された(10月31日)。スペインの人気シンガーソングライター、アレハンドロ・サンスが年間アルバム賞を含めた主要4部門を制覇したほか、コロンビア出身のアーティストが5部門を占める結果となった。ちなみに、“ラテンの貴公子”ことリッキー・マーティン(プエルト・リコ)は1部門どまり。昨年他界した“マンボの王様”、ティト・プエンテもアルバム賞に輝いた。主な受賞者は下記のとおり:

●DISCO DEL ANO(年間ディスク部門)
『El alma al aire』
 Alejandro Sanz(アレハンドロ・サンス/スペイン)
●ALBUM DEL ANO(年間アルバム部門)
『El alma al aire』
 Alejandro Sanz(アレハンドロ・サンス/スペイン)
●CANCION DEL ANO(年間シングル部門)
『El alma al aire』(※同名アルバムに収録)
 Alejandro Sanz(アレハンドロ・サンス/スペイン)
●MEJOR ARTISTA NUEVO(最優秀新人賞)
 Juanes(ファネス/コロンビア)
●MEJOR ALBUM VOCAL POP FEMENINO
(最優秀アルバム賞/女性ポップ・ボーカル部門)
『Mi reflejo』
 Christina Aguilera(クリスティーナ・アギレラ/米国)
●MEJOR ALBUM VOCAL POP MASCULINO
(最優秀アルバム賞/男性ポップ・ボーカル部門)
『El alma al aire』
 Alejandro Sanz(アレハンドロ・サンス/スペイン)
●MEJOR ALBUM VOCAL POP DE DUO O GRUPO
(最優秀アルバム賞/ポップ・デュオ&グループ部門)
『Duetos』
 Armando Manzanero(アルマンド・マンサンサネロ/メキシコ)
● MEJOR ALBUM DE RAP/HIP-HOP
(最優秀アルバム賞/ラップ、ヒップホップ部門)
『Un paso a la eternidad』
 Sindicato Argentino Del Hip Hop
(シンディカト・アルヘンティーノ・デル・ヒップホップ/アルゼンチン)
●MEJOR SOLISTA VOCAL PARA ALBUM EN ROCK
(最優秀ボーカル賞/ロック・アルバム部門)
『Fijate bien』
 Juanes(ファネス/コロンビア)
●MEJOR CANCION DE ROCK
(最優秀シングル賞/ロック部門)
『Fijate bien』(※同名アルバムに収録)
 Juanes(ファネス/コロンビア)
●MEJOR INTERPRETACION VOCAL DE ROCK, DUO O GRUPO
(最優秀パフォーマンス賞/ロック・デュオ&グループ部門)
『Gozo poderoso』
 Aterciopelados(アテルシオペラードス/コロンビア)
●MEJOR ALBUM DE SALSA(最優秀アルバム/サルサ部門)
『Obra maestra』
 Tito Puente & Eddie Palmieri(ティト・プエンテ&エディ・パルミエリ/米国)
●MEJOR ALBUM DE MERENGUE(最優秀アルバム/メレンゲ部門)
『De vuelta al barrio』
 Chichi Peralta(チチ・ペラルタ/ドミニカ共和国)
●MEJOR ALBUM TROPICAL TRADICIONAL
(最優秀アルバム賞/トラディショナル・トロピカル部門)
『Siempre vivire』
 Celia Cruz(セリア・クルス/米国)
●MEJOR CANCION TROPICAL(最優秀トロピカル曲部門)
『Jurame』(ジセルの『Voy a enamorarte』に収録)
 Kike Santander(キケ・サンタンデール/コロンビア)
● MEJOR ALBUM RANCHERO
(最優秀アルバム賞/ランチェーラ部門)
『Yo no fui』
 Pedro Fernandez(ペドロ・フェルナンデス/メキシコ)
●MEJOR ALBUM DE BANDA(最優秀アルバム賞/バンダ部門)
『Contigo por siempre』
 Banda El Recodo(バンダ・エル・レコド/メキシコ)
● MEJOR ALBUM GRUPERO
(最優秀アルバム賞/グルペラ部門)
『Por encima de todo』
 Limite(リミテ/メキシコ)
● MEJOR VIDEO MUSICAL
(最優秀ミュージック・ビデオ部門)
『She Bangs』
 Ricky Martin(リッキー・マーティン/プエルトリコ)

B.V.S.C.のイブライム・フェレールがフランスで4公演

キューバが誇る長老バンド「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のメンバーとして活躍するイブライム・フェレールが、11月2日〜8日までフランスで単独公演を行う。初のソロ・アルバムが9月に米国でゴールド・ディスクを獲得。ひと足先にソロ活動をスタートさせた、コンパイ・セグンド、オマーラ・ポルトゥオンド同様、74才という高齢にして精力的な音楽活動を続けている。映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(ヴィム・ベンダース監督)とともに世界中で爆発的ヒットとなった同名アルバムは、現時点で550万枚を越えるセールスを記録している。