■ 政治ニュース ■

2001.10.29号

メキシコやカナダから米国へ再びテロ攻撃の可能性有り、とCISEN所長

エドゥアルド・メディナ・モラ国家治安調査センター(CISEN)所長は、オサマ・ビンラディン氏のテロリストグループが、メキシコやカナダとの国境を利用して再びアメリカに対してテロ行為を行う可能性があると述べた。CNI en l地ea (oct 24, 2001)

ロペス・オブラドール メキシコシティ市長がフォックス政権の空港建設地決定を批判

ロペス・オブラドール・メキシコシティ市長は、新空港建設地の確保のための土地の接収を見る限りエリート層寄りの手段をとっており、フォックス大統領が農民を援助する立場にあるというのは全くの宣伝文句でしかないと批判した。テスココのエヒダタリオ(共同土地所有農民)に1平方メートルあたり6ペソしか支払われないのは不当であるとしている。CNI en linea (oct 26, 2001)

メキシコシティ新空港建設に反対して住民が抗議行動

メキシコ州サンサルバドール・アテンコの住民約500人が、自分たちの共有地(エヒード)である土地に政府が新空港を建設する決定を下したのに抗議して、幹線道路ロス・レジェス・ラパス=テスココを封鎖した。CNI en linea (oct 22, 2001)


2001.10.22号

国際問題の専門家がフォックス大統領のヨーロッパ・アジア外遊を「成功」と評価

エウヘニオ・アンギアノ アジア・アフリカ研究所所長と、コネリ・オルティス アジア・ラテンアメリカ研究所所長は、フォックス大統領を扱ったラジオ番組の中で、来週月曜に終了する大統領のヨーロッパ・アジア外遊は成功だった、と評価した。外遊を通じて二国間関係と国際問題に対するメキシコ政府の認識及び姿勢を明白に示すことができ、またAPEC首脳会議にはメキシコが経済的・政治的・外交的関係を重視している国々とが参加していることから、こうした外遊は有意義なものであると評価している。(Notimex, 2001/10/20)

メキシコ-米国間国境問題にもテロ事件の影響

米墨間国境における不法移民と麻薬の問題が、米国に対するテロ事件の影響をうけて縮小しているとの分析が発表された。テロ再発防止のために米国側が国境警備を強化したため、公式統計でも不法入国者の数とコカインなどの麻薬の流通が減っている。Reuters (oct 19, 2001)

イタリア訪問中のフォックス大統領に対しチアパス問題解決を要求

投資呼び込みのためのヨーロッパ遊説中、イタリアを訪問したフォックス大統領は、ドイツでと同じように、チアパス問題の早期解決を訴えるデモ隊に迎えられることとなった。デモ隊に対し大統領は、ゆっくりではあるが問題は先住民に有利な方向で解決に向かっていると述べた。Proceso, Ciudad de M支ico (oct 17, 2001)


2001.10.15号

メキシコ、ブルガリアやシリアと共に国連非常任理事国入り

メキシコはドミニカ共和国の40票を大きく上回る138票を得て、国連の非常任理事国となった。これによりメキシコは前任のジャマイカを継いで2002年から2003年にかけてラテンアメリカ・カリブ諸国の代表として安全保障理事会に出席する。El Universal, Ciudad de Mexico (oct 8, 2001)

フォックス大統領、ヨーロッパ遊説を開始

経済交流の活性化と政治的対話および協力の強化のために、フォックス大統領は木曜日からチェコ、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、及び中国を回る遊説に出発した。中国の上海では、第9回APEC首脳会議に出席する。(Notimex, Cd. de Mexico, 2001/10/09)

フォックス大統領、汚職撲滅を誓う

ヨーロッパ訪問中のフォックス大統領は、反汚職国際会議に出席し、自らの政権を「変化を求める人民の意志の発現」であると定義して、公共・民間両部門であらゆるレベルでの汚職追放を主導していくと宣言した。(AP, oct 11, 2001)


2001.10.08号

メキシコ政府、1968年の学生虐殺事件(トラテロルコの虐殺)に関する資料を公開

メキシコオリンピック開催10日前の1968年10月2日、メキシコ軍によって大勢のデモ中の学生が三文化広場で銃殺され、メキシコの抑圧政策のなかでも最悪と言われているトラテロルコ事件にまつわる政府資料を、メキシコ政府が公開すると発表した。この事件では公式発表では28人死亡、200人負傷、1500人逮捕、となっているが、市民団体の調査では少なくとも300名が殺害されたとされている。(Reuters, Mexico DF, 2001/10/02)

対テロリズムにおける米国への協力を繰り返し強調ー米国の新聞で

メキシコ政府は有料広告を米国内の各紙に掲載し、対テロ行動における米国への協力の意志を強調した。掲載した新聞はUSA Today, Miami Heraldoなど。(CNI en Linea, 2001/0/04)

メキシコ国内でのFBI捜査官による調査を拒絶

メキシコのラファエル・マセド検事総長は、メキシコ国内でFBIが直接捜査活動を行うことを現段階では拒絶する意向を発表した。また、FBIとは事前に締結してある国際的取り決めの範囲内での協力だけをする、と述べた。この協力内容は主に情報交換などが含まれる。(La Jornada, Cd. de Mexico, 2001/10/01)


2001.10.01号

テロ事件のメキシコ人犠牲者のために米国が基金を創設

ジェフリー・ダビドウ在メキシコ米国大使は、米国のテロ事件で死亡したメキシコ人の家族に経済的支援を行う「9月11日基金」を始動させた。メキシコが米国に対する連帯を表明したのを受けて、米国側の何らかの形でメキシコ人犠牲者の家族への支援を行おうとしていると述べた。不法滞在者であっても支援の対象からはずされることは無いため、家族は心配せずに申し出るように、とも述べた。(CNI en Linea, 2001/09/27)

米国テロ事件に対するメキシコの姿勢の抱えるジレンマー事件後の分析を発表

メキシコは米国に対するテロ攻撃に際して、迅速に米国に連帯を表明したが、米国を完全に指示することに反対する国内世論との板挟みとなっている。カスタニエダ外相は、事件直後に、米国がテロに対する報復措置をとること、米国に対する支援を惜しまないことを表明したが、これが国内、特に左派からの強い反感を買った。ラジオ局が行ったアンケートでも、メキシコが米国に対して無条件支援を与えるべきかどうかということについては多くの人々が疑問を抱いており、大半が軍事的支援は絶対に与えるべきではないと答えた。フォックス大統領はこの件に関して沈黙を維持していたが、9月25日になって初めて米国に対する「無条件の」支援を約束し、またブッシュ大統領との電話でテロと組織犯罪に対する闘いにおいてできる限りの協力をすると約束した。知識層は、フォックス大統領が公にどのような発言をすべきかについて深刻なジレンマに陥っている、と分析している。1994年の北米自由貿易協定発効以来、メキシコは米国との関係をより緊密にしており、その一方で1846年から守り通してきた孤立外交政策や、米国を国家主権に対する脅威とみなす見方がある。1942年には連合軍側としてドイツ・イタリア・日本に宣戦布告することによって、この外交政策を中断したが、第二次大戦後は再び中立国に戻った。(Reuters, Mexico DF, 2001/09/25)