■ 経済ニュース ■

2001.10.29

チャベス・ベネズエラ大統領が石油価格をめぐりメキシコを訪問

チャベス・ベネズエラ大統領は、世界的な石油価格の下落に歯止めをかけるための減産戦略にメキシコの協力をとりつけるため、26日にメキシコ入りした。チャベス大統領によれば、OPEC石油輸出国機構はすでに100万バレルの減産を決めており、減産をより効果的にするにはメキシコなどのOPEC非加盟国の協力が必要である。メキシコは世界第7位の産油国であり、OPECには加盟していないものの、これまで原油価格の安定のため、OPECの減産・増産の政策に協調してきた。今回はメキシコ政府は原油減産を決めるのは「時期尚早」であるとしており、OPECに同調するかどうかは3週間以内に決定するとしている。MEXICO DF (Reuters) 2001/10/26

税制改革の頓挫はメキシコの経済見通しにとって悪材料となる、とIMF

IMFは25日に公表した報告書の中で、メキシコが十分な税制改革を承認しない場合、中期的な経済見通しは暗いものとなると述べている。今年4月に税制改革法案が国会に提出されたが、国会承認を得られていない。当初食品や学費にも15%の付加価値税が課されることになっていたが、食品と学費に関しては課税対象外とされた。現在は国会議員によって調整案が考案中である。Reuters (oct 25, 2001)

メキシコシティ新空港建設地はテスココ(メキシコ州)に

メキシコ政府は、約5億ドルを投入するプロジェクト、メキシコシティの新国際空港の建設地としてメキシコ州のテスココを選んだ。テスココはメキシコシティ中心部から18キロメートル離れている。新空港の建設はフォックス政権のインフラ計画の中でも核となるものであり、現在国際便及び国内便の3分の2が集中して混雑しているメキシコシティ国際空港の状況を緩和することを目的としている。メキシコシティ政府はイダルゴ州のティサユカ(シティ中心から65キロ)に建設するプロジェクトを支持してきた。ティサユカ計画ではメキシコシティの現国際空港を補完する予定だったが、テスココ計画は現在の空港を廃止することになる。新空港建設には5年を要する見込み。 Reuters (oct 22, 2001)

米州開発銀行がメキシコの社会部門に60〜5P億ドの援助

米州開発銀行はフォックス政権に対し、特に社会部門を援助するため60〜75億ドルを借款すると発表した。La Jornada, Ciudad de Mexico (oct 22, 2001)


2001.10.22号

メキシコへの2001年の直接投資は150億ドル、とフォックス大統領

上海で行われたAPEC首脳会議でフォックス大統領は、メキシコに対する2001年度の直接投資は150億ドルにのぼり、5.5%のインフレ率を達成するだろうと述べた。以前の予測では125億ドルから130億ドルとされていた(2000年は131億ドル)。2001年上半期の直接投資実績は67億ドルだった。 Reuters (oct 19, 2001)

メキシコシティの新空港建設地に関する協議会は終了

メキシコ内務省は18日(木曜日)まででメキシコシティ新国際空港建設地に関する連邦特別区・メキシコ州・イダルゴ州との懇談期間を終了した。水曜日に当局と上記3州との間で行われた最終会合の結果をもとに、内務省が最終レポートを作成し、通信運輸省に提出する。建設地の発表は通信運輸省が行う。El Universal, Ciudad de Mexico (oct 18, 2001)

メキシコ内務省は18日夜、通信運輸省に対し空港建設地に関する最終レポートを提出した。フォックス大統領は12日の段階で、19日に建設予定地を発表すると宣言している。El Norte, Monterrey (oct 19, 2001)

今年中に400の旅行代理店が閉店するだろう、と旅行代理店協会代表が予測

オスカル・アメリゴ メキシコ旅行代理店協会会長は、観光業界の景気低迷の影響を受けて、今年中に400の旅行代理店が閉店し、6000以上の雇用が失われるだろうと述べた。アメリゴ会長によると、9月11日のアメリカに対する同時多発テロ事件以降、メキシコの観光業は3400万ドルの損失となっている。とくに、旅行代理店の売り上げの72%を占めている航空便利用者の減少の影響が大きいとしている。Mexico, 16 Oct (Notimex)


2001.10.15号

トヨタ自動車、メキシコに初の部品工場建設、2003年に稼働

トヨタ自動車は十日、メキシコに初めての生産拠点となる部品工場を建設し、二〇〇三年にも稼働させる方針を明らかにした。新工場では、米ゼネラル・モーターズ(GM)との合弁会社「NUMMI」(カリフォルニア州)で共同生産するピックアップトラック「タコマ」の荷台を十五万台程度生産する。(中日新聞10月11日)

今年年末までに天然ガス産業への民間企業の参加を認める計画に調印するだろう、とフォックス大統領

フォックス大統領は天然ガス産業におけるペメックスの独占状態を改善するために、年末までに民間企業の参加を認めるような計画に調印する予定だと述べたが、議会の強い反発を受けそうだ。

メキシコシティの新空港建設地を来週の金曜に発表

フォックス大統領は新空港建設地を来週金曜日に発表する、と訪問先のドイツでレフォルマ紙に対して述べた。(Reuters, Hamburgo, 2001/10/13)

税制改革法案を是正すれば税収を増やす効果は小さくなる、といくつかの銀行グループが分析

政府が提案している税制改革法案が是正されれば、国内総生産の2.2%に当たるとされている税収アップが減るだろうと金融グループが発表した。BBVAバンコメルグループによれば、政治的合意が得られないことにより、税収アップは国内総生産の1.1%分にとどまるだろうとの予測。サンタンデール・セルフィングループは、通常国会が開会されて以来大きな進歩は見られないものの、政府と各党の間では少なくとも国内総生産の2.0%の税収増を目指そうということで合意が得られるようになってきたとしている。(Notimex, Cd. de Mexico, 2001/10/12)


2001.10.08号

日墨自由貿易協定本交渉は来年10月から

デルベス・メキシコ経済相は、日墨間の自由貿易協定締結に向けた正式交渉の開始は2002年10月から行われ、開始宣言は同10月20日から25日にメキシコのロス・カボスで予定されているAPECの首脳会議において両国間で行われる計画となっていることを明らかにした。正式交渉は12ヶ月〜18ヶ月かかる予定。経済相によると、日本がメキシコからアジアへの輸出基地に、メキシコが日本からラテンアメリカ諸国への輸出基地になることが期待される。メキシコはこれまでに同様の協定を32締結しており、その中でも重要なものとして北米自由貿易協定および欧州連合との自由貿易協定がある。(Reuters, Monterrey, 2001/10/05)

国立石油公社PEMEX、原油の輸出価格を修正

メキシコ国立石油公社PEMEXは、国際市場における競争力維持のため、11月に原油の輸出価格を 見直すと発表した。いずれの種類の原油も10〜60センタボの値下げ。(CNI en Linea, 2001/10/05)

経済再活性化のための新経済政策を発表

連邦政府は国内のすべての生産部門との会合を持ち、米国経済の失速とそれに続く同時多発テロ事件の影響を強く受けた現状に対処するため、新しい経済計画「経済強化社会包含計画」を発表した。新経済政策は次の5点を骨子としている。
1.金融政策の維持
2.貨幣政策の維持
3.経済の脆弱性を減少させるため構造改革をより広範に推し進める
4.観光に関連した分野で経済強化プログラムを徹底する
5.社会を取り込んだ形のプログラムを実行する。(El Norte, Monterrey, 2001/10/04)

大統領府が失業対策計画を発表

デルベス経済相によると、大統領府は木曜日に中小企業支援計画を発表した。この計画の重点は失業対策だが具体的な内容はまだ明らかにされていない。(Reforma, Cd. de Mexico, 2001/10/04)

スタンダード&プアーズ、メキシコ経済は一層弱体化するだろうと予測

国際格付会社スタンダード&プアーズはラテンアメリカの分析の中で、長期的な交易環境はメキシコにとって好ましいものだが、今後9ヶ月間という期間で見るとメキシコ経済は一層弱体化するだろうと予測した。税制改革をめぐる国会討議が長引いていることも投資家たちの信頼低下の大きな原因となるとした。(El Economista, Cd. de Mexico, 2001/10/03)

米国テロ事件後メキシコのホテル業界は一日あたり450万ドルの損失

メキシコホテル・モーテル協会のミゲル・トルーコ会長は記者会見で、米国の同時多発テロ事件後メキシコ旅行を中止した外国人は17300人、またホテル業界は一日450万ドルの損失となっていると発表した。メキシコの観光産業の収入の20%は外国人観光客からの収入であり、さらにその80%は米国人である。またメキシコは観光インフラ整備では世界で9番目に位置し、10600のホテルと43万客室を有する。(Reuters, Mexico DF, 2001/10/03)


2001.10.01号

IMFがメキシコの税制改革を支持

国際通貨基金IMFは27日、メキシコで考案中の税制改革を支持すると発表し、これが実現すれば投資家からの信用が上がり、利子率が低下し、経済成長を促進するだろうと述べた。年次評価の中では、ラテンアメリカ第二の経済大国メキシコは、他の新興市場での動揺にも関わらず、堅実な財政・金融政策を維持してきたと評価した。(Reuters, Washington, 2001/09/27)

マキラドーラの雇用者数が9%減少-INEGI発表

マキラドーラの7月の雇用が昨年の同月と比べ9%減少した、と国土統計地理院INEGIが発表した。米国でのメキシコ製品に対する需要の低下から、この一年を通じてマキラの雇用は加速的に減少してきている。7月の段階で、マキラドーラ産業に雇用されているのは1,187,525人。(Reuters, Mexico DF, 2001/09/27)

2002年の緊縮財政政策を発表

財務省支出担当長官のフルタード氏は、資源不足と経済状況の悪さから、フォックス政権は来年に向けて非常に緊縮的な予算を準備していると発表した。(El Norte, Monterrey, 2001/09/27)

メキシコー米国国境の州の商業における売り上げが70%まで減少

テロ事件後の警戒体制下で連邦政府の係官による検問が強化されたため、カリフォルニア州のメキシコとの国境地帯での商業の売り上げが今週一週間で最大70%まで減少した。サン・イシドロ商工会議所によると、ティファナ州のメキシコ人だけでも年間15億ドル分をサンディエゴで消費している。正気に渡る検問で、国境の両側の州では観光客が50%減少した。(El Economista, Ciudad de Mexico, 2001/09/27)

バンノルテ銀行がバンクレセール銀行を16億5千万ペソで買収

バンノルテ銀行は、16億5千万ペソでバンクレセール銀行の株式を100%買収した。バンクレセール銀行は国内に755の支店、967のATM、約70万口座を持つ。バンノルテ銀行は今回の取引により、バナメックス=シティグループ、BBVAバンコメルに次ぐ第3の銀行グループとなる。(La Jornada, Ciudad de Mexico, 2001/09/25)