■最新音楽ニュース■

2001.08.20

ルイス・ミゲルが5年ぶりにブラウン管で歌声を披露

メキシコの国民的カリスマ・シンガー、“ルイスミ”ことルイス・ミゲルが、第2回ラテン・グラミー賞に出席することが決まった。海外でも高い評価を得ている彼はメディアへの露出度が極めて低く、5年以上も音楽番組から遠ざかっている。マイアミで来月開催される同イベントの模様はテレビを通じて各国に流されるため、視聴率に与える影響が気になるところだ。以前、マライア・キャリーの恋人(現在も交際中)として写真週刊誌にツーショットが掲載されたことがあるが、日本で複数のアルバムをリリースしている数少ないラテン・アーティストである。

エリック・クラプトンのメキシコ公演で大物バンドTOTOがオープニング・アクト

1978年にロサンゼルスで結成されたベテラン・バンド、TOTOが10月19日に行われる英国人ギタリスト、エリック・クラプトンのメキシコ初公演で前座を務めることになった。1982年に全米No.1を記録したアルバム『TOTO IV』(日本語盤タイトル『IV聖なる剣』)で、その年のグラミー賞7部門を制した彼らは、度重なるメンバーの変更を経ながら、常に世界を舞台にした活動を続けてきた。1999年に発表した最新作『Mindfield』(初代ボーカルが復帰)は同賞の2部門にノミネート。メキシコでの人気も高く、昨年5月にメキシコ市のアウディトリオ(1万人収容)でコンサートを実現している。予想外に早い再訪となる今回は、メキシコ市東部の野外ステージ“El Foro Sol”にて、往年の名曲を中心に演奏を披露する予定だ。

破天荒シンガー、アレハンドラ・グスマンの移籍第一作目にエアロスミスが参加

レコード会社を移籍したばかりのアレハンドラ・グスマンが、新しい所属先であるBMG US Latinのバックアップを受け、本格的な海外進出を目指すことになった。同社との契約では、最低4枚のアルバムを制作することになっている。記念すべき移籍第1弾はBon Jovi、クリスティーナ・アギレラ、リッキー・マーティンらのアルバムを手がけたDesmond Childをプロデューサーに起用。発売は10月10日の予定だ。映画『アルマゲドン』の主題歌でお馴染みの超人気バンド、Aerosmithのメンバー、Steven TylerとJoe Perryがゲスト参加するのも見逃せない。

芸能一家に育ち、幼い頃からショービジネス界に身を置いてきた彼女は、プライベートでも何かと話題を提供。国内はもとよりスペイン語圏全体で幅広い支持を得ていながら、ここ数年は若手の台頭もあって爆発的なヒットには恵まれていない。個性と実力を兼ね備えているだけに、大物助っ人の応援を受け、世界中に竜巻を起したいところだ。ちなみに昨年の第1回ラテングラミー賞ではベスト・女性ロック・ボーカル部門にノミネートされている。

チリの国際音楽祭にメキシコ人BIGアーティスト3名が参加予定

毎年チリの保養地を舞台に繰り広げられる音楽の祭典“ビニャ・デル・マル”に、タリア、パウリナ・ルビオ、クリスチャン・カストロというメキシコの人気アーティスト3名が招かれることになった。開催予定は2月。現地(チリ)紙によれば、最近の活躍と同国での知名度が選考に反映されたようだ。タリアが昨年リリースしたポップ・アルバム『Arrasando』は国内ランキングの上位を獲得、パウリナの最新アルバム『Paulina』も今年、同様の大ヒットを飛ばした。一方、クリスチャン・カストロは2年前に同イベントに参加した際、観衆を魅了した実績がある。その後も数回公演に訪れ、安定した人気をキープしている。他にもウルグアイで大人気の若手男性グループ「チョコラテ2001」、ハスキーボイスとパワフルなステージで観衆を魅了する“コロンビアの歌姫”シャキーラなどが招待される予定。この豪華な顔ぶれが実現すれば、今年も大盛況間違いなしだが、ドル高の影響で資金面(ギャラの支払い)での不安を抱えている。また、元ミス・チリ代表のセシリア・ボロッコが2年連続で進行役のひとりを務めたが、数ヶ月前に年齢差を乗り越えてゴールインした元アルゼンチン大統領、カルロス・メネム氏が在職中(1989-1999)の武器売買容疑で服役中のため、3度目の登板は見送られる可能性が濃厚だ。


2001.08.13

メキシコ市で開かれる“American Ball”のハーフタイムでタリアが歌声を披露

NFL(米国ナショナル・フットボール・リーグ)のダラス・カウボーイズ対ライダース戦が、8月27日にメキシコ市で開かれることになった。会場となるのは巨大メディア企業テレビサが所有するアステカ・スタジアムで、ハーフタイムには同国出身の人気女優兼歌手・タリアが登場する。数多くの主演ドラマをヒットさせ、メキシコで絶大な認知度を誇る彼女は、ハリウッド映画に出演したり、ホワイト・ハウスで開かれたヒスパニック系イベントで熱唱するなど、近年は米国でも精力的に活動を行っている。昨年、米国ソニー・ミュージックの社長であるトミー・モットーラ氏と結婚。つい最近、彼の前妻である“世界の歌姫”マライア・キャリーを挑発するような発言をして話題となった。“彼女が歌手だったなんて知らなかったわ”とマライアに切り返され、大いに憤慨したという後日談も報じられたが、もし事実なら、全米中継が決まっている今回のステージは、待ち望んだ(?)リベンジのチャンス…。最新アルバムではメキシカン・バンドを従え、ローカル色あふれる“ムシカ・ノルテーニャ”(メキシコの北部音楽)に挑戦している。

米国の超人気アイドル5人組“イン・シンク”、メキシコ公演の反響はいまひとつ!?

7月30日よりチケット発売となった“ユNsync”(イン・シンク)のメキシコ公演だが、その売れ行きが伸び悩んでいる。同コンサートは9月1日にアステカ・スタジアム(最大12万人収容)で行なわれ、61,000人の観客を見込んでいる。チケットは、5種類の座席ゾーンごとに130ペソから1,500ペソの値段がつけられ、一人につき最高8枚まで購入可能となっている。チケット取扱い会社“チケット・マスター”によれば、どのゾーンも十分な空席があるとのこと。彼らを誘致したイベント会社En Vivo(巨大メディア企業・テレビサの新子会社)は、売れ行きに相当な自身をのぞかせていたが、残念ながら若者の反応はイマイチ。今回の公演は、全米各地で好評を博してきた現行ツアーの締めくくりであると同時に、彼らがラテンアメリカで行う唯一のコンサートでもある。満員御礼で最後を飾れるかどうかは、今後の売れ行きにかかっている。

一方、彼らと対照的なのが、“ランチェラ界のプリンス”アレハンドロ・フェルナンデス。10月4日、5日に予定されている“メキシコの武道館”アウディトリオでの公演は、特別先行予約日に電話が殺到し、一日で計12,333枚を売上げた(同ホールは1万人収容なので、実質的には1回公演分を完売した勘定)。また、10月13日に行われるエリック・クラプトンの野外コンサート(El Foro Sol)の場合は、同じく特別先行予約日に6200枚を売上げ、まずまずのスタートを切った。両者のコンサートを手がける大手プロモート会社CIEによれば、同社がこれまでイベントに携ったアーティストのうち、チケット売上枚数(一日)が最も多かったのは“バック・ストリート・ボーイズ”の28,724枚。今年3月に行ったel Foro Solでの3Days公演はいずれも完売(最終日は追加公演)で、総動員数は16万人に及んだ。米国で“イン・シンク”と人気を二分する彼らだが、隣国メキシコでは大きくリード。ワイルドさが決めてとなった!? ちなみに第2位はかの有名なローリング・ストーンズ(24,626枚)で、こちらも追加公演を行っている。

エルトン・ジョンのメキシコ公演、入場料は国内史上最高をマーク!

英国が世界に誇るミュージシャンのひとり、エルトン・ジョンが10月半ばにメキシコを訪問。実に9年ぶりとなる公演は、“ミュージシャンの殿堂”アウディトリオ(メキシコ市)にて開かれる。公演日は近日中に発表される予定だが、チケット料金の上限が1,900ペソとメキシコ史上最高の設定となっている。


2001.08.06号

ロック・バンド“マナ”のボーカルがキューバの大御所パブロ・ミラネスと共演

近年は海外での活躍が目立つメキシコのロックバンド「マナ」のボーカル、フェルナンド・オルべラがキューバのシンガーソングライター、パブロ・ミラネスとレコーディングを行なった。パブロの最新作『Pablo Querido」(親愛なるパブロ)に招かれたためで、他にもチャーリー・ガルシア(アルゼンチン)やボブ・ディラン(米国)ら大物シンガーの参加が決定している。滞在先のキューバでインタビューに応じたフェルナンドは、「(今回の共演について)とても光栄なこと」とコメント。来年2月に発売が予定されている最新アルバムのレコーディングにより、残りのメンバーは同行できなかったが、出来れば近いうちにコンサートで訪れたい意向だ。

コロンビアで開かれる平和コンサートにサンタナが出演

メキシコから世界に羽ばたいたギタリスト、カルロス・サンタナが“por la paz de Colombia”(「コロンビアの平和のために」)と銘打ったコンサートで演奏を披露することになった。紅一点のボーカル、アンドレア率いる同国(コロンビア)出身のロックバンド“Los Aterciopelados”やアルゼンチンの9人編成バンド“Los Fabulosos Cadillacs”の参加も決まっており、ロック・ファン注目のイベントとなりそうだ。開催予定は12月8日で、首都ボゴタのシモン・ボリバル公園が会場となる模様。尚、同イベントは労働省の支援のもとに行なわれ、コロンビアにおける内戦の早期終結および“ラテンアメリカから暴力が消え去るように”という願いが込められている。

メキシコ・ロックの先駆者「El Tri」のリーダー、Alex Loraがパナマで世界青年フェスティバルに参加

先日パナマで開かれた世界青年フェスティバル(“Festival Mundial de la Juventud”)に、メキシコの骨太ロックシンガー、アレックス・ローラが参加した。ラテンアメリカから集まった大勢の若者たちを前に、「オレはロックンローラーであって、政治家ではない。オレの音楽でみんなが精神を高めてくれたら…」と語ったアレックス。時折冗談を交えながら、政治や文化についての対話を行なった後、30分ほど自身のヒット・ナンバーを歌って聴かせた。当初参加が予定されていた、小説家でノーベル文学賞受賞者のガブリエル・ガルシア・マルケス(コロンビア)や同平和賞を受賞したリゴベルタ・メンチュ(グァテマラ)らの訪問が実らず、アレックスが唯一の海外ゲストとなった。