■政治ニュース■

2001.06.25号

インディヘナ法に反対して先住民グループが結集

マメ、カクチケル、モチョ、ツォツィル、ソケの各民族グループは、国会で承認されたインディヘナの権利と文化に関する法律がサン・アンドレス・ララインサール合意の内容を盛り込んでいないとして拒絶した。モツィントラとコパイナラの両地区で行われた懇談会で、上下院の決定した条項は和平のための調停委員会Cocopaが案出したイニシアティブを反映していないと先住民が反発した。(Notimex, Tuxtla Gutierrez, 2001/06/23)

国境治安の強化に米墨協力

メキシコ治安当局は22日、米国への不法入国者の死亡を減らすため、国境の安全を強化する方策を開始したと発表した。両国で同時に発表された行動内容は、陸空でのパトロールを強化して国境付近の不法入国者の捜索と救助にあたる、というもの。特に砂漠のような危険地帯でのパトロールを強化する。同時にメキシコ国内では、国境を秘密裏に越えることがいかに危険かを認知させる。

この行動計画では、米国は国境監視プログラムを見直すことを約束、「安全促進と移民の死亡を回避するための調整」を実施するとしている。しかし米国側には、国境を不法に越えようとするメキシコ人労働者に対し、ゴムの銃弾や催涙ガスといった殺傷能力のない武器を使うことが認められている。メキシコ側は、ベータ・グループと呼ばれるメキシコ人移民救済を任務とする政府部隊を40%増員するが、当部隊には不法入国者を止める権利を持たない。(Reuters, Mexico, D.F., 2001/06/22)

メキシコの安全保障理事国入りを75カ国が支持、とカスタニエダ外相

メキシコの安全保障理事国入りを支持する国は75カ国近くにのぼるが、第一回選考をパスするには105票が必要である、とホルヘ・カスタニエダ外相が述べた。キューバによる支持を得たことを特に強調しているが、これはキューバが支持すれば他のカリブ諸国やアジア・アフリカ諸国もこれに追随するであろうと考えられるため。国連の安全保障理事国は現在15カ国で構成され、このうち5カ国は常任理事国、10カ国は2年任期の非常任理事国。(El Economista, Cd. de Mexico, 2001/06/20)

「フォックス大統領のイメージ低下、信頼感は強い」Banacciによるアンケート結果公表

バナメックス=アクシバル・グループ(Banacci)が2001年4月30日から5月4日にかけて1300人を対象に実施したアンケーの結果, メキシコ人のうち20%がフォックス大統領就任後の5ヶ月で経済状態が改善された、61%は変わりなし、19%は悪化した、と考えていることが分かった。フォックス大統領の評価は10点満点中7.1点で、2000年12月に達成した7.88点より低下した。フォックス大統領の人気の低下を示すアンケート結果は、この1週間でこれで二つ目となる。しかしながらフォックス大統領に対する相変わらず高く、55.5%が非常に信頼している、38.7%がまあまあ信頼している、5.8%があまり信頼していない、と答えた。また、国民は貧困撲滅や教育・賃金・犯罪撲滅といった社会問題により重点的に取り組むことを要望している、という結果が出ている。

また、フォックス政権のこれまでの政策で最も重要なものは何かという問いでは、29%が「なにもない」、23%が「サパティスタとの対話」、6%が「汚職撲滅」、4%が「年金受給者・高齢者への支援」、7%が「貧困層への支援」、6%が「雇用・賃金」、残りの4%が「米国との関係維持と市場開放」である、と答えた。(La Jornada, Cd. de Mexico, 2001/06/18)


2001.06.18号

中米-メキシコサミット終了、中米7カ国とのパナマ=プエブラ計画を発表

フォックス大統領はパナマ=プエブラ計画を公式に発表し、8つの柱のもと計画を構成する8か国が地域の統合と発展のために協力していくと述べた。8つの柱のうち最も重要なものは、「人間開発」であり、「教育改革」を通じて学問や技術の発展、健康、先住民人口の統合、都市と農村の問題、移民問題を解決する糸口としようというもの。また、文化遺産や自然を守る「持続可能な発展」の推進も掲げている。このほか、観光面、交易の活性化・自由化、エネルギー部門での協力などが含まれている。(El Universal Online, Cd. de Mexico, 2001/06/15)

「PRDとPRIは攻撃的で体制批判主義の野党」フォックス大統領評

フォックス大統領は、6月15日金曜日から2日間の予定で公式訪問中のパナマで、主要紙「ラ・プレンサ」のインタビューに答え、「制度的革命党PRIは今や正統性を失って攻撃的かつ体制批判ばかりしている野党政党になった」と述べ、民主的革命党PRDも同じ立場をとっている、とした。またフォックス大統領が外遊のために費やしている多額の費用に対する2党の批判に関しては、「とんでもないウソ」であり、外遊の数の多さに関しては、メキシコに投資を呼び込むためのものであり、今後もっと回数を増やすつもりであると宣言した。麻薬問題に関しては、米国との協力関係を協調、組織犯罪と麻薬取引の問題には二国が協力して取り組んで行く取り決めができており、協力関係はすでに成功を収めている、と述べた。(CNI en Linea, 2001/06/15)


2001.06.11号

フォックス大統領東アジア訪問

フォックス大統領は東アジア外遊の最終訪問地である上海での記者会見で、大統領の外遊が頻繁すぎると批判している左派政権PRDのロペス・オブラドール連邦特別区知事に対し、メキシコシティの公務に専念するように、と釘をさした。

外遊の回数の多さに関しては、「世界では競争の速度が上がっておりじっとしている場合ではないし、外遊を行って世界のほかの場所でどのような状況になっているのかを直接見て知る必要がある」と弁明。また、「メキシコシティには国中でもっとも多くの失業者いるにもかかわらず、ディコンサの牛乳に補助政策を与えることばかりに気を取られている輩がいる」とロペス・オブラドール連邦特別区知事を間接的に批判した。

ディコンサは貧困層に食料を供給するための政府のプログラムであり、先日政府がディコンサ供給の牛乳を値上げすると、連邦特別区政府はその負担が消費者に届かないようにと値上げ分を肩代わりする方針を打ち出している。(Reuters, 上海, 2001/06/09)

インディヘナ法に反対する農民がチアパスの議会を占拠

100名以上のチアパス州の農民が4月27日に連邦議会で承認されたインディヘナ法反対を訴えて、チアパス州議会を占拠した。農民たちは農民組合連合の構成員で、オコシンゴ、チロン、アルタミラノ、ラスマルガリータスからやってきた。議員と公務員、新聞記者たちは農民と先住民が3つの出入り口を封鎖する前に議会を放棄した。インディヘナ法はこれまでのところ7州でしか批准されていない。(Notomex, Tuxtla Gutierres (Ed. de Chiapas), 2001/06/09)

PRI、ユカタン州選挙結果に対する批判を公式に提出

さきの5月27日に行われたユカタン州の知事選及び議員選で、制度的革命党PRIが国民行動党PANに敗北を喫した選挙結果に対し、PRIはユカタン州選挙委員会に対し公式に抗議資料を提出した。資料の内容は全体の約53%に当たる1000以上の投票所で不正が行われたことを証明するためのもので、ビデオテープやオーディオテープ、文書など。正規のものではない投票用紙の印刷や、投票所での正規投票用紙の不足、PANによる票の買収があったなどとして批判している。(CNI en Linea, 2001/06/07)


2001.06.04号

フォックス大統領、初の東アジア訪問

フォックス大統領は現地(=アジア諸国)時間の6月3日から9日にかけて韓国・日本・中国を訪問。この外遊に先だって、「強い競争力と成長の原動力を持つアジア・太平洋地域との関係はメキシコにとって非常に重要」との考えを示し、上記三国とメキシコとの政治的結束の強化を期待していると述べた。韓国については、すでにメキシコに投資を行っている企業があるが、対メキシコ投資を一層増やすことを期待。日本に対しては、メキシコの経済発展にとって重要な役割を果たすに違いない自由貿易協定の一日も早い締結を望んでいるとした。世界最大の人口を抱える中国に対しては、メキシコとの貿易拡大と投資の拡大を提案する。(CNI en Linea, 2001.06.02)

米国にとってもっとも危険な麻薬密売人に7人のメキシコ人がリストアップ

米国政府によりEl Chapo Guzman, Osiel Cardenas Guillen, Miguel Caro Quintero, Ismael Higuera Guerrero, Oscar Malherbe de Leon, Alcides Ramon Magan~a, Jose Alvarez Tostadonの7名のメキシコ人が、米国の治安に危険を及ぼす恐れのある麻薬密売人のリストに加えられた。これによりこの7名には治外法権が科せられ、本国で逮捕された際には米国への身柄引き渡しが行われる可能性がある。(Notimex, 2001.06.02)

ユカタン知事選挙はPANが勝利

ユカタン知事選および議員選が5月27日に行われ、PAN候補のパトリシオ・パトロンが当選確実となっている。同時に行われた議員選では、6月2日現在、PRIとPANの得票率はほぼ並んでいる状態。(El Economista Online, 2001.06.02)