■最新音楽ニュース■

2001.06.25号

第2回ラテン・グラミー授賞式、開催地マイアミへの経済効果は昨年2倍の350万ドル!

来る9月11日に、マイアミにて開催が予定されている第2回ラテン・グラミー授賞式。現地報道によれば、本イベントが当地にもたらす経済効果はおよそ350万ドルとのこと。これは、ロサンゼルスで行われた記念すべき第1回授賞式の、ほぼ2倍の額に相当する。関係者側は、昨年産声を上げたばかりの“ラテン音楽の祭典”に参加するため、海外を含め約12,000〜15,000人の訪問客がマイアミ入りすると見込んでおり、それぞれが現地に4〜5泊した場合、一人当り平均450ドルを当地に落としていく勘定だ。

ところで、本年度の受賞候補者は7月に発表される予定。新ジャンル「ラップ・ヒップホップ」の増設に伴い、総ジャンル数:12、合計39部門からの選出となる。ちなみに舞台となる“American Airlines Arena”は、ダウンタウンのベイサイドに昨年オープンした大型施設。NBAのプロバスケットチーム“MIAMI HEAT”の本拠地であり、グロリア・エステファン所有のレストランが併設されている。

名プロデューサー、エミリオ・エステファンがソニー・ミュージックと新レーベル設立へ

去る18日、ラテン・ミュージック界の大物プロデューサー・エミリオ・エステファンが、日本のSony Music Entertainment、スペインのGran Via Musical(最大手メディア“Prisa”グループの子会社)と共同出資の上、ラテン・アーティスト専門の音楽レーベルを新設することが明らかになった。グロリア・エステファンの夫で、夫人と同じくキューバ系アメリカン人のエミリオは、現在Crescent Moonというレコード会社を所有している。新会社の経営は、3社それぞれの代表と、マーケットの中心となるスペイン、ラテンアメリカ諸国、米国の責任者で構成される委員会が行う予定だ。新会社の本拠地はマドリードで、会社名は未発表。

エミリオ曰く、「ヒスパニック・パワーは年々勢いを増しており、(スペイン語圏における)新世代アーティストのための受け皿が必要になってきた。新レーベルはその役割を担うことになる。スペインやラテンアメリカ出身で、音楽界に新風を巻き起こしたいと機会をうかがっているミュージシャンやシンガー、作詞家は後を絶たない」とのこと。


新アルバムが全世界で200万枚を突破、パウリナ・ルビオが本格的な米国進出へ

所属レコード会社Universal Musicによると、昨年発売されたパウリナ・ルビオ(メキシコ)の第5作目のアルバム『PAULINA』は、全世界で200万枚以上のセールスを記録。海外ツアーも順調に消化している彼女が、いよいよ本格的な米国進出に挑む。すでに同アルバム収録曲「Y yo sigo aqui」の英語バージョンを発表(英題「Sexual Lover」)。同アルバムからのカバー4曲とオリジナル8曲からなる英語アルバムのレコーディングが決定している。

メキシコの人気ポップ・デュオ“Sentidos Opuestos”がアルバム発表後に解散を決意

女性ボーカルのアレサンドラ・ロサルド(29)と男性キーボード奏者で楽曲担当のチャチョ・ガイタン(32)が、8月に発売予定のアルバムを最後に解散する意向を表明。最後を飾ることになった通算6枚目のアルバムには、新曲をはじめ彼らのヒット曲も収録されているそうだ。

2人は1993年のデビュー以来、ヒット曲を連発。人気ドラマの主題歌にも起用されたことがある。メキシコ国内では、ダンス・ポップ音楽のパイオニア的存在として、若者を中心に絶大な人気を誇っている彼ら。解散後、アレサンドらは女優、チャチョはミュージシャンとして芸能活動を続ける、とのこと。ちなみにアレサンドラはデュオ結成前の数年間、国民的歌手で女優としても活躍しているルセロのバックボーカルを務めていた。


2001.06.04号

海外進出目前のOV7が母国メキシコシティでコンサート、計6日間で6万人動員に挑戦!

メキシコのポップ・グループ“OV7”が、今月の14日に“メキシコの武道館”アウディトリオでの6回公演をスタートさせた。現時点(6/17)ですでに4回公演を終え、残すは22日と23日のみ。全日程でチケット完売となれば、「総動員数6万人」の偉業達成となったのだが、初日の入場者は9000人あまり。残念ながら第一関門の1万人突破には及ばなかった。ちなみにアウディトリオ史上において6万人以上の観客動員を成し遂げたのは、ルイス・ミゲル(メキシコ)、ティンビリチェ(メキシコ)、リカルド・アルホナ(グァテマラ)の3名のみ。この地で満員の聴衆を沸かすことを目標にしているアーティストは数多く存
在している。

今年で結成12年を迎えたOV7は、Onda Vaselina(オンダ・ヴァセリナ)時代の8枚を含むと、これまで計11枚のアルバムを発表。レコード会社をソニーに移してから大ヒットを連発し、昨年リリースしたアルバム「CD00」では100万枚を超える売上を記録した。チビッコ・アイドル・グループから、ポップ界期待の若手実力派アーティストへと成長した7人。残念ながら、初日を満員御礼で飾ることは出来なかったものの、ファン大満足のステージを展開したようだ。

骨太シンガー・リカルド・アルホナ(グァテマラ)の海外公演でSold Outが続出

昨年8月に発売された最新アルバム『Galeria Caribe』の売れ行きが、依然として好調なリカルド・アルホナ。約2年ぶりとなった本アルバムでは、タイトルどおりカリブ色を全面に打ち出し、サルサやメレンゲにも挑戦。サルサ界の貴公子(?)、マーク・アンソニーと共にグラミー賞に輝いたクコ・ペニャら強力ミュージシャンの参加もあり、みごと新境地を切り開いた。

もっかワールド・ツアー中のアルホナは、訪れる先々でsold outを記録し快進撃を続けている。近々公演を予定している米国3ヶ所(マイアミ、ニューヨーク、シカゴ)においても、チケットはすでに完売。先に行なったアルゼンチン、チリ、プエルト・リコ、パラグアイ、メキシコでのコンサートを含めると、現時点での観客総動員数は50万人以上にも及ぶ。米国公演の後は再びメキシコを訪れ、パナマやコスタ・リカにまで足を伸ばす予定。


2001.06.11号

アルゼンチンで長編ドラマに出演中のチャヤンがメキシコを1日訪問、近況を語る

アルゼンチンでドラマに出演中のチャヤンが、撮影の合間をぬってメキシコシティに到着した。“メキシコの武道館”アウディトリオで開かれるコカコーラ主催コンサートに出演するためで、わずか1日の滞在。途中、故郷プエルトリコに立ち寄り、母親との束の間の再会を果たした。この後スペインを足早に訪問し、再びブエノスアイレスでドラマの収録。現地では撮影のために通常8時間から12時間拘束されているとのこと。9月の撮影終了までは、歌よりも演技の方に比重を置かざるを得ないが、出来るだけ時間を捻出し、最新アルバム『Simplemente』のプロモーション活動を行いたい意向だ。とはいえ、ハリウッド映画や米国ドラマ出演の話も進んでおり、なかなか歌手業全開とはいかない模様。また、最近アルゼンチンに家を購入したチャヤンだが、15年前から本拠地としているマイアミにも新居を建設中であることを明らかにした。

最新アルバムを8月に発表するエンリケ・イグレシアスが、A・バンデラスの映画にゲスト出演!

去る6月6日、スペインの人気歌手エンリケ・イグレシアス(26)が滞在先のメキシコで地元テレビのインタビューに応じ、現在当地で撮影準備が進められている映画『Once upon a time in Mexico』にちょい役で出演することを明らかにした。この映画はロバート・ロドリゲス監督の出世作“エル・マリアッチ”シリーズの第3弾で、エンリケの同胞・アントニオ・バンデラスが主演を務める。本人曰く、「俳優と名乗れないほど出演シーンが短い」そうだが、脚本に惹かれて出演を決めたのだとか。バンデラスについては、「彼はサイコーだよ。知り合う前からファンだったけど、実際に会ってみてもっと好きになった。才能豊かで地に足がついている。魅力的で実に気さくな人だね」とベタ誉め。

8月にはニューアルバムをリリース、その後コンサートツアーも予定しているエンリケは、先日米国の人気女優ジェニファー・ラヴ・ヒューイット(22)とロスで買い物中のところをスクープされたばかり(彼女はサスペンス映画『ラスト・サマー1』『ラストサマー2』に主演、テレビやコマーシャルでも活躍)。今後の行方はいかに?

ギターの名手エリック・クラプトンがメキシコで初めてのコンサートを開催

名曲「Tears of Heaven」でグラミー賞に輝いたエリック・クラプトンが、今年の2月にロンドンで幕を開けた約10年ぶりの海外ツアー“Reptile”の一環として、メキシコを訪れることになった。ファン待望の公演は、10月19日の1回のみ。今年の3月で56歳を迎えたクラプトンは、すでに“最後の海外ツアーになるだろう”との声明を発表しており、最初で最後のメキシコ公演となる可能性が極めて濃厚だ。会場に選ばれたメキシコシティの“el Foro Sol”は、先月ボンジョビが大雨に打たれながら白熱のステージを成功させた場所。業界関係者によれば55,000人の観衆を見込んでいる。


2001.06.04号

世界的ギタリスト、C.サンタナと“童顔のサルサ歌手”ジェリー・リベラが異色の共演

プエルト・リコ出身のサルサ歌手ジェリー・リベラ(28)が、海外で活躍するメキシコ人ギタリスト、カルロス・サンタナのコンピレーション・アルバムにゲスト参加した。タイトルは「Primavera」(プリマベラ=春)で、曲調はトロピカル・ポップ。エミリオ・エステファンとの名コンビでヒット曲を量産しているキケ・サンタンデールがアレンジを担当した。ジェリーが地元誌に寄せたコメントによれば、今回の組み合せはレコード会社の意向により実現。ちなみに本アルバムには、昨年他界したマンボの神様、ティト・プエンテやグロリア・エステファンらのヒット曲も収録されている。

アルバム『PAULINA』が国内で100万枚突破!勢いづくパウリナ・ルビオが新境地に挑む

ソロ5枚目のアルバム『PAULINA』がスペインでプラチナディスクを獲得し、メキシコ国内でも売上100万枚を達成したパウリナ・ルビオ(28)。ビルボード誌のラテンヒットチャート50では最高第1位に輝いている(注:6/9最新号では第2位)。歌手としてノリに乗っている彼女だが、先日あるインタビューに応えて、「レコード会社が好きなようにやらせてくれるので、次のアルバムは皆がアッと驚くような内容にしたい」と語った。爆発的ヒットとなった『PAULINA』は、従来のポップ・ロック路線に加えて、ファンク、テクノ、ハウス系の曲も収録。母国を代表する作曲家、アルマンド・マンサネロやファン・ガブリエルからの楽曲提供を受け、メキシコ的なボレロスやバラードまで披露しているだけに、次にどんな変化を見せてくれるのか気になるところ。また、来年2月に公演が予定されている舞台では、プロデューサー業に初挑戦。実の母親で女優のスサナ・ドサマンテスが主役を演じる。詳細は未定だが、フリーダ・カーロ、エバ・ペロン、マリア・カラスといった強い女性たちに感銘を受けたと話すあたり、女性たちの生き方を軸にした筋書きになりそうだ。