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2001.08.10号
こんにちは! もうすぐお盆休みですね。メキシコでお盆にあたるのは、11月1日、2日の「死者の日」で、この時期に出まわるガイコツの砂糖菓子は季節の風物詩。おどろおどろしくなくて、ユーモアを漂わせているところがメキシコ的です。 それではいつもの様に大手音楽ショップMixupのアルバム売上チャートと、メキシコニ大テレビ局のひとつ、TV AZTECAの音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、ラテン音楽動向をチェックしたいと思います。
●先週に引き続き、人気ドラマのサントラ盤が第10位です。テレビっ子をクギづけにしたSFアドベンチャー番組も、いよいよ明日(メキシコ時間で8月10日)で最終回。それにしても最後までトップテン入りとはアッパレです。ところで、日本で大ヒットしたサントラ盤(ドラマ)って記憶にありますか? ● 第9位のコンピレーション・アルバムは先週から3ポイントのダウン。とはいえ、6月半 ばに発売されてからずっとランクインしているので、売上げは結構いっているハズ(笑)。以前ご紹介しましたが、このアルバムには坂本龍一の名曲“Merry Christmas Mr. Lawrence”(大島渚監督作品『戦場のメリークリスマス』のテーマ曲)が収録されています。私がメキシコに滞在していた当時(1994年〜1999年)、歩行中によく「セニョリータ・コメタ!」(ひと昔前に流行った子供向けドラマ『コメットさん』のことですが、ご存知です?)とか、「おゆき〜!」(メキシコで製作されたドラマ。“おゆき”という日本人が主人公)なんて声をかけられましたが、今度行ったら“サカモト”になってたりして!? それにしても、彼は何で“教授”と呼ばれているのでしょう…。(←ファンの間では常識?!) ● El Gran Silencioが今週も第8位をキープ。驚いたことに、ある日本人がHPで彼らのファースト・アルバム『Libres y Locos』を絶賛してました。「とんでもないアルバムなので、どこかで見つけたら買いなさい!」と(笑)。嬉しいじゃあ〜りませんか。どれくらいの反響があったか気になりますが…。ちなみに、その方は今週第5位のマヌー・チャオがリーダをつとめていたマノ・ネグラもお好きなようです。お次はクリスチャン・カストロ。先週第7位に後退したかと思ったら、再び第4位に返り咲き! 人気者の底力を見せてくれました。 ● 先週第9位で初登場の二チョが、ホップ・ステップ・ジャ〜ンプ!と一気に第3位です。本人が自信作だと語るこのアルバムは発売3週間で5万枚を突破。全15曲のうち13曲がカバーですが、1曲だけ彼自身による楽曲が収録されています。前作「En el Bar 1」が好評だったために、今回第2弾が実現した訳ですが、この調子でいけば第3弾の可能性も濃厚。タイトル(「酒場にて」)通り、“酒場での弾き語り”をイメージした作品になっています。これまでメキシコ北部・モンテレイ(エル・グラン・シレンシオと同郷!)を中心に地道な活動を続けてきた彼ですが、ここにきて大ブレイクの気配。 ● 私の願いが通じたのか、紅一点のボーカルを擁するラ・オレハ・デ・ヴァン・ゴッホが、ハワレスを押さえてついに栄冠を手にしました!スバラシイの一言です。発売直後ならいざ知らず、リリースは昨年の11月ですからね。第一回オトキータ賞(いつのまに…)へのノミネートは確実でしょう(笑)。先日、訪問先のエル・サルバドルで地元紙のインタビューに応じたギター担当のパブロ(25)は「デビューしてからというもの驚きの連続だ。自分たちの夢が実現されていくのは幸せなことで、状況を楽しんでいる」と語っています。デビュー作がスペイン国内で70万枚を超えるヒットとなり、通算2枚目となる本作では100万枚を突破。破竹の快進撃を続ける彼らは、今年の3月末から国内ツアー(80ヶ所以上)を行っています。10月半ばまで続きますが、その後はラテンアメリカ公演に突入! 余談ですが、数ヶ月前に“オレハ・デ・ヴァン・ゴッホがテロ活動を支持するNGO団体に収入の50%(!)を献金している”という妙な噂がインターネット上で流れ、ファンの間で議論が沸き起こっていたようです…。 続いてシングル・ランキング〜!
●エル・シルクロが第10位と4ポイントも順位を下げました。かわって、ラウルが第9位に浮上。“イタリアの歌姫”ラウラ・パウシーニは手堅く第7位につけています。 ●第6位はハワレス! アルバム部門ではオレハ・デ・ヴァン・ゴッホに首位を奪われましたが、ここでは確実にランクを上げてきました。人気&実力からして、ニ冠達成の可能性はまだまだ残ってます。来週以降、“ジャガー”の雄たけびでライバルを蹴散らすかも…。もしそうなれば、真っ先に狙われるのは“色白の美少年アイドル”マルティン君(笑)!?。今週第4位となった彼の曲は「ブリトニー・スピアーズに恋して」というタイトルですが、実生活でブリトニーのハートを射止めているジャスティン(米国の男性ポップ5人組“イン・シンク”のリーダー)が9月1日に初のメキシコ公演を行います。音楽ニュースで取り上げましたが、関係者の予想に反してチケットがあまり売れていない様子。もっとも、通常のコンサートとはスケールが違うんですけどね。会場は“サッカーの聖地”アステカ・スタジアム。最大12万人の収容が可能ですが、61,000人の動員を予定しています。もしこれが、“メキシコの武道館”アウディトリオ(10,000人収容)だったら、すでに追加公演が決まっていたことでしょう。第一回ラテングラミー授賞式ではSon by Four(男性4人組)と共演していましたが、ご覧になった方も多いのでは? ●さて、ここからは上位3組です。キハーノ3兄弟が首位転落で3位となり、アルバム部門で巻き返しに成功したクリスチャン・カストロがここでも第2位に急浮上!しかし、栄光の第一位に輝いたのは、ジャーン!“兄弟デュオ”エストパでした! デビュー・アルバムが国内で100万枚を突破し、あのオレハ・デ・ヴァン・ゴッホすら成し得なかった大記録を樹立してしまったムニョス兄弟。ストリート育ちの彼らは、その地域特有の言いまわし(=スラング)をたびたび歌詞に取り入れています。プロモーションでメキシコを訪れた際に一部分をメキシコ流の表現に書き直したとかで、こだわりが感じられます。気になる第2作目のアルバムは11月あたりに発売予定で、その後に(海外も含め)本格的なツアーを行いたい意向です。ちなみに今年のツアーは国内(スペイン)14都市をカバーしただけでした。 という訳で、今週は「アルバム部門」「シングル部門」ともにスペイン勢が独占。“メヒカーノ(メキシコ人)の逆襲”とはいかなかった様です。そういえば、初登場アーティストがいませんでしたね。それではまた来週〜! 2001.08.03号
みなサマ、ご無沙汰のotokitaです。先週は諸々の事情で更新できず、ごめんなさい。途中まで書き上げてたんですけどね…(苦笑)。ところで、今週からこのコーナーだけ金曜日更新でお届けすることになりました。今後とも何卒ごひいきに! さて、それではいつもの様に大手音楽ショップMixupのアルバム売上チャートと、国内2大テレビ局のひとつ、TV AZTECAの音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、ラテン音楽動向をチェックしたいと思います!
● 第10位は最終回目前(8/10)の人気ドラマ『Aventuras en el tiempo』のサントラ盤。ランクをひとつ落したものの、今週もトップ・テン圏内を守りぬきました。前回、“ラテン・グラミーの子供向けアルバム部門にノミネートされた模様”とお伝えしましたが、残念ながら最終選考で落選…(苦笑)。お次は第9位。OV7が姿を消し、かわって“メキシコのトロバドール”(吟遊詩人)・二チョが初登場。歌手生活17年というベテランの彼は、他のシンガーソング・ライターの曲を数多くカバーしています。数年前までギターの先生を続けていたとか。音楽的な好みから、キューバの大御所パブロ・ミラネスやシルビオ・ロドリゲスの曲は極力さけてきたけれど、最近になって受け入れることにしたそうで(苦笑)、好んで歌うのは、チャーリー・ガルシアやフィト・パエスといったアルゼンチン・アーティストの作品です。 ●1ヶ月以上も第5位をキープし続けたクリスチャン・カストロですが、ここにきて第7位と後退。しかしながら、彼の爽やかな歌声は夏の清涼剤に最適です! もっか同胞の大先輩ファン・ガブリエルと米国ツアー中で、今月半ばには、ベネズエラの主要都市(カラカス、バレンシア、マラカイボ)で4回公演を行ないます。彼が昨年行なったラテンアメリカ公演は計70回。米国ビルボード誌の年間アーティストにも輝いていますが、今年はさらなる飛躍の年となるのでしょうか。 ● 『Y Tu Mama Tambien』のサウンド・トラックが3ポイントもアップ。現在第5位につけています。先週の芸能ニュースで取り上げましたが、ベネチア映画祭への正式出展が決定! 大喜びのアルフォンソ・クアロン監督は「俳優陣やスタッフを引き連れて現地に乗り込み、大いに盛り上げたい」と語っております。結果次第では日本公開も夢じゃない!? 先月半ばにコスタリカで公開となりましたが、こちらの評判も気になるところです。 ● 第3位から“てこでも動かなかった”ラ・オレハ・デ・ヴァン・ゴッホが、第2位に浮上!マグマのように地下で力を蓄えていたんですね(笑)。スペイン5人組バンドあなどれじ。是非とも首位を獲得して、このコーナを盛り上げて欲しいものです。 という訳でジャジャーン、ハワレースが2週連続(正確には3週連続…)で王座に輝きました! オメデトウ! ところで、彼らは現在3人で活動しています。前回は、最新画像の入手が間に合わず、5人編成時のものを掲載してしまいました…。ご指摘が来るのでは、と内心ドキドキしてました(笑)。 続いてシングル・ランキング〜!
●今週は順位がかなり入れ代わってます。第10位のラウルと、第9位のラウラ・パウシーニが初登場。ラウルはスペイン北部出身で、現在25歳。この曲はファースト・アルバムからのシングルカットで、「Baila」(踊って!)というタイトルどおり、ノリノリのナンバーです。先月、バルセロナからスタートした国内ツアーは9月まで続く模様。ちなみに、あるインタビューで趣味について訊かれた彼は、「やっぱり音楽!それ以外は家族や友人と過ごすのが楽しい」とコメントしております。 “イタリアの歌姫”ラウラ嬢はこのコーナーの常連。今回も長期に渡ってトップテン圏内をキープすることでしょう。クリスチャンと同じく透明感のある歌声はこの曲でも健在。そういえば、先日、日本のファンによる応援サイトを見つけました。1999年2月から運営されていて、メーリング・リストまであります。それによると、彼女は身長168cmで体重は54kg。お年頃(現在27歳)のはずなのに体重まで発表するなんて…(笑)。あと、好きな女性歌手として、マライア・キャリー、ホイットニー・ヒューストンの名前があり、妙に納得してしまいました。 ●お次はハワレス! アルバム部門第一位の彼らが、シングル部門にも名乗りをあげました。このコーナー初のニ冠達成を期待したいところです。 ●第7位のチャオママは、記念すべき第1回目の連載で、第4位にランクインしていました。3ヶ月ぶりのトップテン復帰を果し、ジワジワと順位を上げています。結成は1997年。昨年5月にリリースしたデビュー・アルバムでは、メンバーのぺぺが作詞・作曲で参加。OV7の出世作『CD00』を手がけたイタリア人Loris Ceroniがプロデュースを務めました。男性アイドル・グループの王道を突き進む彼らのライバルは、やはりマグネト? ●ところで、ランク外となってしまったモエニアですが、ラテン・ロック史上に燦然と輝く有名ロックバンドSoda Stereo(アルゼンチン)のトリビュート・アルバムに参加することになりました。モエニア風のアレンジが楽しみです。他にも、フリエタ・ベネガス、ジャンボ、ラ・グサナ・シエガといったメキシコ人アーティストが多数参加するので、こちらも要チェック! ● 第4位のベニーは先週第一位への返り咲きを果していました! が、残念ながら失速…。 前回王座のアギレラ嬢にいたっては、一気にランク圏外へ。このへんの強引な展開がメキシコの魅力でもあります…(苦笑)。 ● 第2位はハンサムなエストパ兄弟。ルックスと実力を兼ね備えた彼ら、メキシコ人女性のハートを着々と射落としている模様。元祖“狙い撃ち”女王・山本リンダもびっくり(笑)? そして第1位は…“ダンゴ3兄弟”ならぬ、カフェ・キハーノ3兄弟! 来月にはいよいよパウリナ・ルビオとのスペイン国内ツアーが始まります。 というわけで、今週は上位をスペイン勢が独占しましたが、来週以降マッチョの意地をかけ(?)、“メヒカーノ(メキシコ人)の逆襲”なるか!? それではまた来週〜! |
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