■■ OTOKITAのラテン音楽TOP10 ■■


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2001.07.19号

主演ドラマが絶好調な、
チャヤンと共演女優

手堅く上位をキープ、
クリスチャン

アルバム部門初登場第一位!
ハワレス

第10位に初登場、
エル・グラン・シレンシオ

みなさん、更新が大幅に遅れてゴメンナサイ! すっかり夏バテのオトキータです。2日前なんて、アパートのカギを紛失し、一万円の大出費。そんな時に限って子守りを頼まれたりなんかして、1歳になる姪と汗をたらしながら、カギ屋のお兄さんの背中を見つめておりました…。皆さんも“夏ボケ”には気をつけましょう! え、それって天然ボケじゃないかって…。

ささ、それでは本題とまいりましょう(笑)。今週も大手音楽ショップMixupのアルバム売上チャートと、国内2大テレビ局のひとつ、TV AZTECAの音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、ラテン音楽動向をチェ〜ック!

まずはアルバム・ランキング〜!

【ラテン・アルバムTop10】(Mixup売上げチャート:7/15時点)

1.Cuando La Sangre Galopa/Jaguares(ハワレス/メキシコ)
2.Proxima Estacion Esperanza/Manu Chao(マヌー・チャオ/フランス)
3.El Viaje de Copperpot/La Oreja de Van Gogh(ラ・オレハ・デ・ヴァンゴッホ/スペイン)
4.Todo o Nada/Benny(ベニー/メキシコ)
5.Azul/Cristian Castro(クリスチャン・カストロ/メキシコ)
6.La Musica de Los Dioses/Varios(複数アーティスト)
7.OV7 en Directo Rush(OV7/メキシコ)
8.Y Tu Mama Tambien/Various(サウンドトラック/メキシコ)
9.Aventuras en el tiempo/Varios(アベントゥラス・エン・エル・ティエンポ/メキシコ)
10.Chuntaros Radio Poder/El Gran Silencio(エル・グラン・シレンシオ/メキシコ)

●エル・グラン・シレンシオが第10位に初登場!お気に入りバンドのひとつなので、嬉しいです(笑)。彼らはメキシコ北部・モンテレイ出身の5人組。ボーカルとギターは兄弟で、主にこの2人が楽曲を手がけています。1998年のデビューアルバム『Libres y Locos』は15万枚を超えるヒットを記録。当時、シングルカットされた“Duerme Sonando”がテレビやラジオでよく流れていて、犬の目線で撮ったビデオクリップがお茶目でした。今回は通算2枚目のオリジナル・アルバムです。ロック、ポルカ、ファンク、スカ、そしてTex-Mexにノルテーニョ…と、あらゆるジャンルを取り入れた味のあるサウンドが魅力。北部特有の土臭さを漂わせながらも、“イケテル”(斬新さを併せ持っている)ところが人気の秘密でしょうか。私的には随所に光るアコーディオンはポイント高し!です。Red Hot Chilli PeppersやAC/DC、Run DMCのアルバムをプロデュースした米国人Rick Rubinが彼らのサウンドに惚れ込み、自ら事務所に電話をかけて、「是非2枚目のアルバムをプロデュースさせてくれ」と願い出た、というエピソードあり。残念ながら契約条件での折り合いがつかず、夢の企画は露と消えてしまいましたが…。

●第9位は先週と同じく子供向けドラマのサントラ盤(最高順位は第2位)。75,000枚のセールスを突破し、ゴールドディスクを獲得しました。ラテン・グラミーの“mejor album infantil”(子供向けアルバム部門)にもノミネートされた模様。ドラマ自体は8月10日で放送終了です。最終日は特別番組としてモンテレイにてイベントを開催。16万人収容の会場に俳優陣が顔を揃え、番組を支えてくれた子供たちと共にフィナーレを飾る予定です。本アルバムがそれまでトップ10圏内を死守できるか要チェックですね。子役アイドルが多数出演するこのドラマ、スペイン語圏を中心に海外30カ国への輸出が決まっているそうです。

●さて、お次はOV7。米国SONYが期待するアイドル7人組の意地をかけ(?)、1ポイントアップで第7位につけました。その一方で、話題映画『Y Tu Mama Tambien』のサウンドトラックは、第8位と後退。映画の興行成績みたいに“うなぎのぼり”とはいかなかった模様。世の中甘くはないですねー。

●第5位のクリスチャン・カストロは6月18日号で第4位で初登場して以来、ランキング上位を手堅くキープ。トップ3入りはまだ果していないものの、着々と売上を伸ばしています。そして、ついにランク外となってしまったモエニアのベスト・アルバムについては、「強豪を抑えてよく頑張った!感動した!」(By 小泉首相)と健闘をたたえて(笑)、第3位のラ・オレハ・デ・ヴァン・ゴッホは、デビュー曲が未だにオリコンチャートに入っている“演歌界のアイドル”氷川きよしもビックリ!?の安定度です。

●第2位はマヌー・チャオ。残念ながら3週連続で首位に輝くことは出来ませんでした。彼から王座を奪ったのは、ジャジャーン、ハワレース! 先週発売されたばかりなのに、初登場No.1とはさすがメキシコ・ロック界の猛者。度々ポリープに悩まされてきたサウルは、計3回も喉の手術をしています。今のところ、1996年の手術が最後ですが、一時期は引退が囁かれたほど深刻な状態でした。

近年、若手バンドの躍進が際立っているメキシコ・ロック界。メキシコシティ出身のハワレスは、サンタナとの共演でも話題となった大物バンド、マナとともに人気・実力では常に一歩先ゆくバンドです。ワイルドさ&カリスマ性で言えば、ハワレスの方に軍配があがると思います。サウルの“陰”のある歌声と彼独自の世界観はインパクトがあります。80年代から、Caifanes(カイファネス)の名で人気を博していましたが、メンバーの脱退など1995年に活動を休止。その後、復活を果しましたが、“Caifanes”という名称の使用権がレコード会社に帰属していたことから、“Jaguares”(ジャガーズ)とバンド名を改めることになりました。来週も一位は確実?

続いてシングル・ランキング〜!

【ラテン・シングルTop10】TV Azteca調べ:7/7-7/14

1.Falsas esperanzas/Christina Aguilera(クリスティーナ・アギレラ/米国)
2.Uno/Benny(ベニー/メキシコ)
3.Molde perfecto/Moenia(モエニア/メキシコ)
4.Nada de Na/Cafe Quijano(カフェ・キハーノ/スペイン)
5.Tu Falda/Estopa(エストパ/スペイン)
6.Yo vivo por tu amor/Chayanne(チャヤン/プエルトリコ)
7.De la Noche a la Manana/Elefante(エレファンテ/メキシコ)
8.El Sirenito/El Circulo(エル・シルクロ/メキシコ)
9.Besame/Chaomama (チャオママ/メキシコ)
10.Enamorado de Britney Spears/Martin Ricca(マルティン・リカ/アルゼンチン)

●先週と全く変わらず…。なので、第1位はアギレラ嬢! ところで、第6位のチャヤンですが、アルゼンチンに長期滞在して出演中のドラマ『Provocame』が好調のようです。7月2日の初回放送(現地)の視聴率は30.1%、翌日も28%を記録しました。既に人気者ではありますが、新たなファンの獲得が期待されます。ちなみに男女の三角関係がメインテーマ。馬の世話係&調教師に扮するチャヤンが、雇われ先である大富豪(パトロン)の息子の彼女に恋してしまいます。いやーん、チャヤンてば(笑)。テレビ関係者によれば、すでにプエルトリコ、ドミニカ共和国、ハンガリー、ポーランド、ギリシャ、ルマーに輸出。米国のヒスパニック系テレビ局も関心を示しているとか。

今回はこの辺でおしまいです。また来週お会いしましょう!


2001.07.09号

アルバム部門・2週連続第一位、マヌー・チャオ

“ミスター・キューピー”、アレックス・シンテックス

スペイン期待の星!エストパがついにメキシコ上陸

ルイス・ミゲルを超えられるか?!、マルティン・リカ

 みなさん、コンニチハ。東京は今週も暑かったです。夏本番の到来が恐ろしい…。
それでは、いつもの様にメキシコの大手音楽ショップMixupのアルバム売上チャートと、国内2大テレビ局のひとつ、TV AZTECAの音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、ラテン音楽動向を見ていきたいと思います。

まずはアルバム・ランキング〜!

【ラテン・アルバムTop10】(Mixup売上げチャート:7/8時点)

1.Proxima Estacion Esperanza/Manu Chao(マヌー・チャオ/フランス)
2.Todo o Nada/Benny(ベニー/メキシコ)
3.El Viaje de Copperpot/La Oreja de Van Gogh(ラ・オレハ・デ・ヴァンゴッホ/スペイン)
4.Exitos/Moenia(モエニア/メキシコ)
5.Azul/Cristian Castro(クリスチャン・カストロ/メキシコ)
6.La Musica de Los Dioses/Varios(複数アーティスト)
7.Y Tu Mama Tambien/Various(サウンドトラック/メキシコ)
8.OV7 en Directo Rush(OV7/メキシコ)
9.Aventuras en el tiempo/Varios(アベントゥラス・エン・エル・ティエンポ/メキシコ)
10.Querencias/Luis Eduardo Aute(ルイス・エドゥアルド・アウテ/スペイン)

●今週の第10位はルイス・エドゥアルド・アウテ。先週から2ポイントのダウンです。続く第9位は人気ドラマのサントラ盤で、先週の第10位から巻き返しを果しました。それにしても、ドラマのサントラ盤が売上ランキングの上位(それも長期間!)に登場するなんて、日本ではマズ考えられないですよね。それだけメキシコ人がテレビにハマっている、ということなのでしょう。それとも大傑作アルバム!?

●先週第6位初登場のOV7が早くも第8位に転落。彼らの勢いからして、もっと上位に食い込むかと思ったのですが、読みがハズレてしまいました(苦笑)。ライブ盤ということで新曲は一曲(『Rush』)だけ。“おトク感”が足りなかったんでしょうか…。ヨーロッパ発売を果した前作『CD00』の売れ行きはいかに?

●話題映画のサウンドトラックが、2ポイント上げて第7位。前回、第一週目の興行成績が国内新記録を樹立したとお伝えましたが、映画同様、こちらも“うなぎのぼり”と行きますかどうか。ちなみに、それまで最高記録を保持していた映画(『Sexo,Pudor y Lagrimas』1999年)は、サウンドトラックも大ヒットしています! 楽曲を手がけたアレックス・シンテックスは二枚目ではないのですが、つぶらな瞳がチャーミング。私は“Mr.キューピー”と呼んでマス。日本の芸能人に例えるなら、元CCBのドラマー(ご存知です?)でしょうか。歌い方と高音が似ています。ただ、髪型は(彼の様に)ピンクには染めてなくて、お笑いの“鶴瓶師匠”風(笑)。新婚ホヤホヤの彼は、何と“私の元同僚のイトコ”!です。

●第5位はクリスチャン・カストロ。順位を一つ落としましたが、海外でも大好評のようですね。余談ですが、彼の昔のアルバムに収録されている名曲“Nunca voy a olvidarte”(直訳:君を生涯忘れない)は私にとって忘れられない一曲。ちょっぴり甘酸っぱい想い出の曲です(苦笑)。

●続くモエニアのベスト・アルバムは、日本の演歌のような根強さを見せてます。ただ、カルロス・ロサノ(元ボーカル兼楽曲担当)時代のヒット曲がベースなので、メンバーとしては少々複雑!? 第3位のラ・オレハ・デ・ヴァン・ゴッホも息が長〜い売れ行き。このコーナー開始以来、ずっと上位をキープしています。そして第2位は、先週に引き続きベニーでした。

●ジャ―ン! 気になる第一位は…マヌー・チャオ! 2週連続で首位に輝きました。このアルバムは随所に“遊びゴコロ”が感じられる仕上りで、私は気に入ってます。レゲエにファンクにフォルクローレ…と実にバラエティに富んだ構成。味のある歌声もいいですよー。荒野に真っ直ぐに伸びた道をオープンカーでドライブしながら聴きたいですね。風景が単調な方が、曲の世界に浸れるかなと。頭にはスカーフ巻いて、サングラスもかけちゃいましょう(笑)。あと、ラジオのDJ風ナレーションや同じフレーズの繰り返しが多用されているので、スペイン語の練習にも役立ちそう(笑)。機会があったら是非聴いてみてくださいね。ちなみにタワーレコーでもススメてました。

●「希望があるからこそ、僕は毎日ベットから起き上がれる。」某インタビューでそう語った彼は、スペイン系フランス人。以前はマノ・ネグラという人気バンドのリーダーとして活躍してました。ソロ第2弾となる同アルバムについては、「沈んだ感じを抑え、前作『Clandestino』よりも陽気な作品にした」とコメントしております。楽しくするにはホーン系楽器がイチバン!ということで、トランペットとトロンボーンを起用したとか。スペイン語の楽曲が中心(9曲)ですが、フランス語、ポルトガル語、アラビア語、英語、そしてスペイン語とポルトガル語のミックスも収録されたインターナショナルな1枚! ところで、ジャケット写真を見て下さい。画像が悪くて、わかりにくいやも知れませんが、ジャージにジャケット、毛糸の帽子にスニーカーというイデタチ。凡人にはとても着こなせません…(笑)。

続いてシングル・ランキング〜!

【ラテン・シングルTop10】TV Azteca調べ:6/30-7/6

1.Falsas esperanzas/Christina Aguilera(クリスティーナ・アギレラ/米国)
2.Uno/Benny(ベニー/メキシコ)
3.Molde perfecto/Moenia(モエニア/メキシコ)
4.Nada de Na/Cafe Quijano(カフェ・キハーノ/スペイン)
5.Tu Falda/Estopa(エストパ/スペイン)
6.Yo vivo por tu amor/Chayanne(チャヤン/プエルトリコ)
7.De la Noche a la Manana/Elefante(エレファンテ/メキシコ)
8.El Sirenito/El Circulo(エル・シルクロ/メキシコ)
9.Besame/Chaomama (チャオママ/メキシコ)
10.Enamorado de Britney Spears/Martin Ricca(マルティン・リカ/アルゼンチン)

●第10位はアルゼンチン出身の美少年、マルティン・リカ。前作『キューピッド』が最近までランクインしていました。若かりし日のルイス・ミゲルと比較されたりしておりますが、本人曰く、「彼のキャリアを真似るのではなく、自分のスタイルを確立したい」とのこと。以前ご紹介しましたが、この曲は彼の好きなブリトニー・スピアーズへの想いを歌ったものです。弱冠15歳の彼は、あるインタビューで、“初体験の相手は彼女がいい”との爆弾発言(?)をしています。現在メキシコでドラマに出演中。

●第9位のチャオ・ママも再登場。メルクリオやマグネトといったライバル(=メキシコの男性アイドルグループ)人気を超えられるか注目です。そしてお次のエル・シルクロは、手堅くワンランクを上げてきました。続く第7位のエレファンテも3ポイント・アップ。彼らの楽曲同様、売れ行きにも勢いが見られます。

●首位目前だったチャヤンが第6位と後退。おまけに、イチオシのアマウリ・グティエレスがランク外…。第5位と健闘していたカオスも姿を消してしまいました。かわって兄弟デュオ、エストパが第5位に初登場! 彼らはスペイン音楽界の新星で、新人賞を含め、2000年度の国内音楽賞を多数獲得しています。スペインの香り漂うギターの節回しに、思わず手拍子を打ちたくなりますよ。アルバムの国内セールスは現時点で100万枚を突破! 数ヶ月ほど、メキシコで精力的なプロモーション活動を行なっていたようですが、去る8日にはNYで開かれたラテン音楽祭に参加し、米国で初めてステージに立ちました。今後更なる飛躍が期待されます。第4位のカフェ・キハーノは4ポイントアップの大躍進。第3位のモエニアは首位からの転落で、ベニーが第2位につけています。彼はアルバム部門でも同順位でしたね。

●そして今週の第一位は…ジャーン! 日本でもお馴染みのアギレラちゃん! 先週第4位から一気に王座にのぼりつめました。スペイン語のアルバムをリリースしたかいがありました。実はここでお詫びがあります。彼女がこのコーナーに登場してからというもの、出身国の表記を“プエルトリコ”にしていました…。彼女はエクアドル系の米国人なのに、ジェニファー・ロペスと混同しておりました。ここに訂正いたします。

という訳で、今回はここまで。アスタ・ラ・プロキシマ・セマナ〜(また来週)!→NHKのスペイン語講座風(笑)。


2001.07.02号

アルバム部門で見事第一位、マヌー・チャオ

アルバム部門第6位初登場のOV7

名前を変えて復活したエル・シルクロ

パウリナとツアーを予定しているカフェ・キハーノ

 みなさん、いかがお過ごしですか? 東京はジメジメとした暑さが続いています。カラッとしたメキシコシティの夏が恋しい今日この頃ですが、今週もテンション上げて、メキシコの大手音楽ショップMixup(日本のHMVみたいな感じです)のアルバム売上チャートと、国内2大テレビ局のひとつ、TV AZTECAの音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、ラテン音楽動向をお送りしたいと思います!

まずはアルバム・ランキング〜!

【ラテン・アルバムTop10】(Mixup売上げチャート:7/1時点)

1.Proxima Estacion Esperanza/Manu Chao(マヌー・チャオ/フランス)
2.Todo o Nada/Benny(ベニー/メキシコ)
3.El Viaje de Copperpot/La Oreja de Van Gogh(ラ・オレハ・デ・ヴァンゴッホ/スペイン)
4.Azul/Cristian Castro(クリスチャン・カストロ/メキシコ)
5.Exitos/Moenia(モエニア/メキシコ)
6.OV7 en Directo Rush(OV7/メキシコ)
7.La Musica de Los Dioses/Varios(複数アーティスト)
8.Querencias/Luis Eduardo Aute(ルイス・エドゥアルド・アウテ/スペイン)
9.Y Tu Mama Tambien/Various(サウンドトラック)
10.Aventuras en el tiempo/Varios(アベントゥラス・エン・エル・ティエンポ/メキシコ)

●先週と同じく、人気ドラマのサントラ盤が第10位をキープしました。続く第9位もサントラ盤ですが、こちらは先月公開されたメキシコ映画です。

●配給は20th Century Fox。主人公の青年2人が10歳年上のスペイン人女性と関係を持ったり、マリワナやゲイ行為を体験したり…という過激なストーリーにつき、国内では早くから物議の的となっていた模様。製作者サイドは、「都市部の若者の実態を描いた作品だ」とのコメントを寄せています。メガホンを握ったアルフォンソ・クラロン監督曰く、「(よりリアルに描くために)撮影中は当時16歳の息子に度々アドバイスを求めていた」とか。

●最終的に、“18歳未満はお断り”という制限つきでの公開となったにもかかわらず、第1週目(6/8-14)の興行成績は国内史上最高額をマーク! ドルに換算すると220万ドル以上に相当するそうです。ちなみに計10日間の観客動員数は3千万人でした!

●余談ですが、ここ数年、メキシコ映画界は活気づいており、歴代記録を次々と塗り替えるヒットを連発しています。また、若手人気アーティストを多数起用するなど、サウンドトラックにも力を入れ始めました。日本の場合は、あと一歩(もっと?)といった感じでしょうかね。義理の兄が助監督なので、カワイイ姪っ子のためにも早く同様の追い風が吹いてくれることを願うばかり…(単なる叔母バカ?!)。

●さて、気になる参加ミュージシャンを見てみましょう。まずはモロトフ。コントロール・マチェテと共に、メキシコにおけるラップ人気の火付け役である彼らは、この映画と同じで、大半のオトナたちにとっては有害と見なされている存在です(苦笑)。ですが、思わずこぶしを突き上げたくなるような、彼ら特有のリズムと掛け声はここでも健在!

●続いてマイペースな活動が信条の超個性派バンド、カフェ・タクバ。ふにゃふにゃと力が抜けるような歌声が特徴的なボーカルは頻繁に名前を変えることで有名。一時期は“Anonimo”(“匿名”・“無名”の意)なんて名乗ってました(笑)。

●また、メキシコ人にしては珍しく(笑)、楽曲やビデオ・クリップにキッチュ感が漂うプラスティリナ・モッシュはヒップホップ界のホープ。ユル〜い歌い方も若者にウケてます。ジャンルこそ違いますが、彼らの出現には、日本の音楽シーンにフリッパーズ・ギターが登場したときと同じような“斬新さ”を感じました。2人組で英語の歌詞を好んで用いるあたりも似てますし(ちと強引?)。

●いずれもメキシコ音楽界に新風をもたらしたツワモノたちですが、奇遇なことに、3組とも日本でのアルバム・デビューを果たしてます。 あと、ベテラン代表として、先週までアルバム部門にランキングしていた正統派、マルコ・アントニオ・ソリス(イエス・キリストのような風貌、覚えてます?)が名を連ねているのも見逃せないところ。

●海外陣では、デビット・ボウィやU2のプロデュースも手掛けた英国人ミュージシャン、ブライアン・イーノ、1993年に惜しまれつつ亡くなったイタリア系米国人フランク・ザッパ(1988年にグラミー賞ベスト・インストゥルメンタル・アルバム部門受賞)、1997年に発表したシングル曲「Torn」が全英チャート初登場2位を記録し、地元オーストラリアで新人賞に輝いたナタリー・インブルーリアらの名前が。とてもバラエティに富んだ構成で、私的には手元においておきたい一枚です。全体を“クール”にまとめるのではなく、随所に“コテコテ感”を残すあたりは、さすがメキシコ。ホッ、としました(笑)。

●初登場がもう一組、第6位のOV7です。男女混合7人で、もっかアイドルからアーティストへの脱皮目指してまい進中。所属先の米国ソニー・ミュージック社が現在、最も力を注いでいるグループのひとつ。本作は、昨年行なわれたメリダでのコンサートを収録したもので、ミリオンセラーとなったアルバム『CD00』の収録曲がベースの構成です。ボーナス・トラックともいうべき新曲『RUSH』の演奏は、マイケル・ジャクソンのバックバンドによるもの。人気・話題性からして、まだまだ上位が狙えるでしょう。10日ほど前に、スターの殿堂“アウディトリオ”(メキシコ市)で6回公演を成し遂げたばかりですが、すでに新作のレコーディングに突入。売れっ子は大変ですねー(笑)。

●さて、先週第2位のマヌー・チャオがベニーを押さえて王座に輝きました!予定では、彼をメインで取り上げるハズでしたが、すでに通常の文字数をオーバーしているため、来週にさせていただきます(笑)。

続いてシングル・ランキング〜!

【ラテン・シングルTop10】TV Azteca調べ:6/23-6/29

1.Molde perfecto/Moenia(モエニア/メキシコ)
2.Yo vivo por tu amor/Chayanne(チャヤン/プエルトリコ)
3.Yo no soy esa mujer/Paulina Rubio (パウリナ・ルビオ/メキシコ)
4.Falsas esperanzas/Christina Aguilera(クリスティーナ・アギレラ/プエルトリコ)
5.La vida gacha/Caos(カオス/メキシコ)
6.Uno/Benny(ベニー/メキシコ)
7.Dime corazon/Amaury Gutierrez(アマウリー・グティエレス/キューバ)
8.Nada de Na/Cafe Quijano(カフェ・キハーノ/スペイン)
9.El Sirenito/El Circulo(エル・シルクロ/メキシコ)
10.De la Noche a la Manana/Elefante(エレファンテ/メキシコ)

●第10位にランクインしたのは初登場のエレファンテ。結成8年にして、初のアルバムをリリースした彼らは、グループ名の通り“ゾウ”の鼻のように長〜い下積みの末にブレイク。それまではバーなどで演奏活動を行なっていました。スペイン巡業中に、“しゃがれ声”が印象的なおじサマ歌手ホアキン・サビナの目(耳?)に留まり、昨年行なわれた彼のメキシコ公演(メキシコ市のアウディトリオ)で同じステージに立てたのだとか。

●この曲を聴いた限りでは、ロックバンドといっても“ガンガン”ではなく落ち着いた印象。アコースティック色の強いスペイン人バンド“ハラべ・デ・パロ”と同じ匂いを感じます。サビの部分で、ポク、ポク、ポク…と木魚のような音がバックに聞えます。影響を受けたアーティストとして、キューバの有名なシンガーソングライターで、語りかけるように歌うシルビオ・ロドリゲスやパブロ・ミラネスのほか、ピンク・フロイドの名前を挙げています。これまた余談ですが、彼らの恩人といえるホアキン・サビナ氏は、私にとって“ドラキュラ役にしたいラテン男No.1”です(笑)。

●第9位も初登場。かつてRagazzi(ラガッツィー)というグループ名で、アルバム2枚を発表しました。甘いルックスでアイドル的な人気を誇り、絶頂期に同名バンドの存在(確かイタリア)が判明し、メディアに取り沙汰されていたことを覚えています。そのせいもあったのか、一時期活動を休止していました。メンバー一人が脱退した後、現在の4人編成で“エル・シルクロ”として再スタート。

●この曲は新生第2弾アルバムからのシングル・カットです。今は亡きメキシコのスター、Rigo Tovar(リゴ・トバル)が80年代前半に歌って大ヒットさせた、いわゆる夏メロのカバー。彼ら流のアレンジをほどこしていますが、個人的な好みとしては、歌も含め、もう少しハジけてほしかったです。相も変らぬミーハーでお恥ずかしいのですが、ボーカルのミゲルはとってもハンサム(笑)。例えるなら、人懐っこいホアキン・コルテスといった感じ。昔はヒゲなしの短髪で爽やかだったんですけどね。

●ちなみに、アルバム部門で長々とご紹介した映画『Y Tu Mama Tambien』のサントラ盤では、プラスティリナ・モッシュが同曲をカバーしています。

●続く第8位はスペイン出身の3人組、カフェ・キハーノ。こちらも初登場です。この曲が収録されている3枚目のアルバムを引っさげ、9月後半から10月前半にかけて、パウリナ・ルビオ(第3位にランキング)と国内主要都市を回る予定。某インタビューで、「パウリナにとってスペインは第2の故郷。僕らにとってはメキシコが第2の故郷だ」と語った彼らは、マリアッチ(ランチェーラ)も含め、何かメキシコ的な楽曲で彼女と共演することを検討しているそう。ちなみにパウリナの恋人はバルセロナ出身です。

●第7位はアマウリ・グティエレス。先週よりランクを3つ上げました!嬉しいですね。実は先日、意外な事実が判明。コララテ(カフェ・メヒコ)のメンバー、Chiakiが3年ほど前にメキシコで彼のライブを見ていたのです!きっとアルバム・デビューまもない頃でしょう。CDより生ライブの方が断然よかった、とのこと。私と違ってクールなので、芸能人には簡単にトキめかないChiakiに、「こういう人、旦那にもったら幸せ..と思ったもん」発言までさせた彼。私の中での注目度は更にアップしたのでありました。

●テレビ・アステカが7月11日(16:00PM〜)にチャットによるインタビュー(ビデオ付!)を実施するそうで、現在質問を受付中。素晴らしい質問を考えた人にはお楽しみプレゼントがもらえるとか。以下のアドレスではこの曲が通しで聴けます。http://tvazteca.todito.com/espectaculos/promocion/amaury/sonido.shtml

●最後になりますが、今週も第一位はモエニアでした。アルバム部門からは先週姿を消しましたが、シングル部門では3週連続で首位を維持。もしかして、“アルバム・ケースの凝り過ぎ”が売り上げに響いた!? ロケット(?)型なので、収納する時にほかのCDとのバランスがとれないハズ(笑)。

長くなりましたが、今週はこの辺でお別れです。また来週〜!