2001.05.28号 こんにちは。早いもので、また1週間が始まりました。皆サマ、楽しく乗りきりましょうね(笑)。それではいつもの様に、メキシコの大手音楽ショップMixup(日本のHMVみたいな感じです)のアルバム売上チャートと、メキシコ2大テレビ局のひとつ、TV AZTECAの音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、ラテン音楽動向をチェックしたいと思います。
まずはアルバム・ランキング!
モエニアのベストアルバムが、今週も第1位!デペッシュ・モードの大ファンである彼らは、音楽的にもその影響を受けています。元リード・ボーカルのファン・カルロス・ロサノは、トレードマークの黒い帽子を脱ぎ捨て、スキンヘッドで活動中。名前も“Morbo”(モルボ)に変りました。第2位の『アベントゥラス・エン・エル・ティエンポ』は、テレビサ系人気ドラマのサウンド・トラック。先週からワンランク・アップですが、視聴率も高いんでしょうね、きっと。残念ながら、先週第2位に返り咲いたリッキー・マーティンが、第6位に後退。とはいえ、長期にわたってトップ・テン圏内をキープしているのはさすがです。第9位のエロエス・デル・シレンシオもしかり。彼らは、スペイン・サラゴサ出身の骨太ロック・バンドで、残念ながら現在は活動休止中。各自ソロ活動に励んでいます。このアルバムは、1984年から1996年までのヒット曲を収録したベスト盤。彼らのグループ名は、日本語で“沈黙のヒーロー”を意味しています。 ところで、今週はオレハ・デ・ヴァン・ゴッホを詳しく取り上げる予定でしたが、急遽予定を変更して、第4位に初登場のロシオ・ドゥルカルをご紹介します。今年で芸能生活40周年を迎える彼女は、来る10月に、“メキシコの武道館”アウディトリオ・ナショナルにて記念コンサートを行う予定。ミチョアカン州出身の国民的シンガーソングライター、ファン・ガブリエルが多数楽曲を提供し(彼が手がけたアルバムは10枚!)、ふたりでステージに立つことも多かったため、メキシコでの活躍が際立っていますが、スペインはマドリードの出身です。 メキシコ人の心の歌“ランチェロス”(俗に言う“マリアッチ”)を高らかに歌い上げる彼女は、メキシコで最も愛されている外国人アーティストのひとり。円熟味を増した歌声で、多くのファンを魅了しています。1999年には、国営宝くじのデザインに彼女の肖像が起用されました。60〜70年代には銀幕で活躍、本国で計14本の映画に出演。その後、舞台やテレビにも登場しましたが、最近のインタビューによると、今後は歌手業に専念する意向です。 最後に第10位のジャンボ。これまた初登場の彼らは、メキシコ北部・モンテレイ州出身のロックバンド。詳しくは来週ご紹介します。勢いづいている彼らのこと、きっと来週もランク・インしているハズ…。 さて、お次はシングル・ランキング!
先週のアルバム・ランキングに引き続き、ここでもカバーが王座転落! とは言え、まだ第2位、強豪相手に大健闘中です。栄光の第1位に輝いたのは、ポップ界の若手最有力株、グロリア・アウラ。先週は第4位でした。ルックスにも恵まれている彼女は現在15才。今後の活躍次第では、メキシコのブリトニー・スピアーズとして世界に羽ばたけるかも!? 今回はこの辺でお別れです。また来週〜! 2001.05.21号 コンニチハ!、OTOKITAです。ここ数日、めっきり暑くなってきましたね。私は早くも夏バテ気味…。夏本番に備えて、しっかり栄養補給をせねば。皆さんも体には十分気をつけてください!! さて、このコーナーでは先週に引き続き、大手音楽ショップMixup(日本のHMVみたいな感じです)のアルバム売上チャートと、メキシコ2大テレビ局のひとつ、TV AZTECAの音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、メキシコ国内のラテン音楽動向をお届けします。 まずはアルバム・ランキング!
前回詳しくご紹介したモエニアのベストアルバムが、ついに第1位を獲得!まだトップ・テン入りは果たしていませんが、彼らの最新アルバム『Le Modulor』の評判も上々のようです。カバーは第6位と順位を落し、3週連続のベスト・ワン達成ならず。第2位はリッキー・マーティンのベストアルバム。先週第5位からの返り咲きです。悲しいことに、先週第3位のクリクリがランク外…。しかし、童謡は演歌と同じで息が長い!じわじわと着実に売上を伸ばして行くことでしょう(笑)。 代わって第3位に輝いたのは、『アベントゥラス・エン・エル・ティエンポ』(直訳:時空の冒険)。子供向け人気ドラマ(タイトル同じ)のサウンド・トラックで、先週は第7位でした。この番組からも、マルティン・リカのような正統派アイドルが生まれるのでしょうか?(マルティン・リカについては、第1回目で少し取り上げています) 第7位のペドロ・フェルナンデスと第8位のルイス・エドゥアルド・アウテは初登場。前者は“ランチェロス”の人気歌手(いわゆる“マリアッチ”ですね)で、子供の頃から芸能界で活躍しています。闘牛士を彷彿とさせるような独特の衣裳(お揃いの帽子は、メキシコ土産の定番のひとつ)に身を包み、マリアッチと呼ばれる楽団を率いて、高らかに歌い上げます。このジャンルに関しては、いずれ特集コーナーでご紹介します。後者はマニラ生まれのベテラン・アーティスト。発表したアルバムは既に20枚を超えています。10才でスペインに移住した彼は、早くから画家として活躍していました。 ところで、このコーナー開始以来、ずっと上位をキープしているオレハ・デ・ヴァン・ゴッホ(直訳:ヴァン・ゴッホの耳)は、紅一点の女性ボーカルを擁するスペイン出身のバンドです。彼らについては、来週詳しく取り上げますのでお楽しみに! お次はシングル・ランキング!
2週間前と順位が全く同じですが、もしかして手抜き!?(苦笑)そんな訳で、第1位は依然としてカバーです。アルバム・ランキングで順位を下げてしまった彼らが、どこまで王座を守れるか注目です。 さて、今回はイタリア勢(第6位のエロス・ラマソッティと第9位のラウラ・パウシーニ)にスポットを当ててみたいと思います。数年前からトップ・テンの常連である二人は、楽曲も手掛ける実力派。イタリアを飛び出し、幅広く活躍しています。エロス・ラマソッティは、かつてティナ・ターナーとのデュエット曲を発表。一度聴いたら忘れられない!?不思議な声の持ち主です。個人的にはお気に入りアーティストのひとりで、コンサートにも行きました。ラウラ・パウシーニは透明感のある歌声が魅力的。昨年、スペイン語圏で公開された日の丸印のアニメ映画『ポケットモンスター・幻のポケモンルギア爆誕』(スペイン語タイトル『Pokemon2000』)では、主題歌を担当しています。 彼らを筆頭に、スペイン語でアルバムをリリースするイタリア人アーティストは大勢います。メキシコでもオリジナル・アルバム(イタリア語)は手に入りますが、やはりスペイン語バージョンが圧倒的な人気。なかでも、最近ビールのCMで見かける盲目のテノール歌手・アンドレア・ボッチェリのアルバム『ロマンサ』(1997)は、爆発的なヒットを記録。アルバム収録曲「Vivo por ella」(直訳:“彼女のために生きる”)は、メキシコでドラマの主題歌にも起用されました(スペインの人気ポップ歌手、マルタ・サンチェスとのデュエット曲です)。余談ですが、マドンナ、ボンジョビ、セリーヌ・ディオン、マライア・キャリー…といったスーパースターも、自身のヒット曲をスペイン語でカバーしています。今週の音楽ニュースで取り上げましたが、ザ・コアーズもまもなく彼らの仲間入り。スウェーデン出身の二人組、ロクセットは、1996年に厳選バラードを全曲スペイン語でカバーしたベストアルバム『Baladas en Espanol』をリリース。各国でゴールド・ディスクを獲得しました。先月7枚目のアルバム『Room Service』をリリースしたばかりですが、メキシコでは早くもコンサートを熱望する声が上がっているようです。 長くなったので、今週はこれでおしまい! 皆様からのご要望・ご感想、どしどしお待ちしております。 2001.05.14号 みなさん、こんにちは。毎週、大手音楽ショップMixup(※日本のHMVみたいな感じです)のアルバム売上チャートと、国内2大テレビ局のひとつ、TV AZTECA(テレビ・アステカ)の音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、メキシコのラテン音楽動向をお届けしています。共にインターネットの公式サイトからデータを引用。今回で第3回目となりましたが、早くも問題発生! シングル・チャートが更新されていないのです…。どうした天下のテレビ・アステカ!? きっとやんごとなき理由によるのでしょうが、メキシコのことだから担当者が無断欠勤したのかしらん…なんて変な深読みをしたりして…。(苦笑) という訳で、今回はアルバム・ランキングのみご紹介。
先週に引き続きカバーが第1位をキープ。先日、メキシコの武道館・アウディトリオでのコンサートを成功させたばかりです。 第2位はメキシコのテクノポップ・3人組、モエニアのベストアルバム。1996年10月にデビューして以来、ヒット曲を連発。メキシコとアメリカで度々ゴールド・ディスクを獲得しています。メンバーの核で、ボーカルを担当していたファン・カルロスが2年前に脱退。一時はどうなることかと思いましたが、結成時(1991年)のオリジナル・メンバー、アルフォンソが復帰し、再スタートとなりました。(“大学での勉強を優先させたい”としてデビュー直後に脱退した彼の代わりに、当時ギタリストだったフアン・カルロスがボーカルとなった経緯あり) 昨年4月にレコード会社を移籍、先月ニューアルバムをリリースしたばかり。近々、本格的な海外進出を予定しているようです。ちなみに彼ら、カンヌ映画祭やベルリン映画祭で絶賛され、東京国際映画祭ではグランプリに輝いた『アモーレス・ペロス』に楽曲を提供しています。 第3位は、緑のバッタがキャラクターの“クリクリ”、ことフランシスコ・ガビロンド氏の童謡アルバム。2枚組で初回生産は6万枚。レコード会社BMGアリオラと彼の遺族が厳選したナンバー100曲!が収録されています。以前、「コトバを読む」というコーナーで彼の曲を取り上げましたが、リニューアル後は掲載していないので、参考までに以下転載します。 「さて、記念すべき第1回目に取り上げるのは、Curi-Cri(クリクリ)の「La Patita」。私がメキシコで覚えた最初の童謡である。クリクリ氏はあまりにも有名で、「Curi-Curi=童謡」の図式が成り立つほど。私はこの「La Patita」(アヒルのお母さん)に、メキシコ下層階級の厳しい現実を見た。これって童謡? 初めて聴いた時、思わず苦笑いをしてしまった。曲調はあくまで明るく、テンポよく。だからこそ歌詞のブラックさが強調されてしまう。ちびっこが無邪気に口ずさむのを耳にするたび、う〜む、と考え込んでしまうのであった。 内容はこうだ。 水玉模様のショールを首に巻いたお母さんアヒルが、カゴをさげ、船の様にゆさゆさ体を揺すりながら市場へ買い物にでかける。市場には何でも揃っているのに、どれも高くて、お金がないお母さんアヒルには何も買えそうにない。(何てこと!)お母さんアヒルは腹を立てるのだが、健気にも一日中市場で値切り続ける。成長して行く我が子たちに、靴も買ってやれない。それもこれも、父さんアヒルが怠け者の甲斐性なしで、家に一銭もお金を入れないからだ。食料を得られず、困ったお母さんアヒル。家ではお腹を空かせた子アヒルたちがまさに首を長くして待っている。さあ、どうする? ここで最後のフレーズ。 Cuando le pidan contestara coman mosquitos Cua Ra Cua Cua. (食べるものをねだられたら、蚊でも食べなさい、クワッ、クワッ、と答えるでしょう。) あの「一杯のかけそば」でさえ、麺にありつけたというのに…。 キビシ〜イ。」 それでは、今週はこのへんで。来週はシングル・チャートもお届けします。 2001.05.07号 みなさん、ゴールデンウイークはいかがでしたか。このコーナーでは先週に引き続き、大手音楽ショップMixup(※日本のHMVみたいな感じです)のアルバム売上チャートと、メキシコ2大テレビ局のひとつ、TV AZTECA(テレビ・アステカ)の音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、メキシコ国内のラテン音楽動向をお届けします。 まずはアルバム・ランキングから。
何と!リッキーのベスト・アルバムが第4位に転落! かわって第1位に輝いたのは先週第5位のカバー。結成は1993年で、姉フェデリカと弟アンドレ、その従兄弟と友人達からなる男3人女3人のポップグループ。1996年にリリースしたファーストアルバムからのシングル・カット「La Calle de las Sirenas」(人魚たちのストリート)が大ブレイク。それ以降は、第一線で活躍、作詞もよく手掛けてます。メンバー自身がプロデュースしている奇抜な衣裳や髪型が何かと話題で、歌詞のない「Esperanto」(エスペラント)という曲(ひたすらNanananana〜♪と歌いながら踊っていた)をヒットさせたこともある個性派集団。今後の動きに注目です。次いで第2位にランクインしたのは、私が大好きなクリクリ。こちらは童謡アルバムです。次回、詳しく取り上げる予定。 お次はシングル・ランキング!
先週第3位のカバーが、ここでも第一位!“君が必要だってこと、君にどう伝えたらいい?君がいるから生きていられる、護られてるって感じてることを〜♪”と歌うこの曲。タイトルの「Te necesito」(テ・ネセシト)は英語の“I need you”です。 前回は第4位だった男性アイドル5人組Chao Mama(チャオ・ママ)がランク外となり、パウリナ・ルビオが第10位に登場。アルバムも第7位と好調な彼女は、1980年代に一世を風靡した男女混合アイドル・グループ、Timbiriche(ティンビリチェ)のオリジナル・メンバー。1998年夏〜1999年春、期間限定で再結成されたTimbiricheは、日本の武道館にあたるアウディトリオ(首都メキシコシティ)で20回!公演を成し遂げました。実は私、友人に誘われてコンサートに行ったのですが、パウリナは持ち前のお転婆ぶりを発揮、ひときわ目立つオーラを放ってました。スタイル抜群で、度々雑誌の表紙を飾っている彼女。ハスキーボイスも魅力です。 それでは、今週はこのへんで。皆様からのご要望・ご感想、どしどしお待ちしております。また来週〜! 2001.05.01号 みなさん、はじめまして。今月から新たに始まったこのコーナー、スタッフいちミーハーの私、Otokitaが担当します。大手音楽ショップMixup(※日本のHMVみたいな感じです)のアルバム売上チャートと、メキシコ2大テレビ局のひとつ、TV AZTECA(テレビ・アステカ)の音楽情報番組『TOP TEN』のシングルチャートをもとに、メキシコ国内のラテン音楽動向を毎週お届けしたいと思っております。どうぞよろしく。 というわけで、まずはアルバム・ランキングから見てみましょう。 【ラテン・アルバムTop10】(Mixup売上げチャート:4/30時点) 1.La Historia/Ricky Martin (リッキー・マーティン/プエルト・リコ) 先週に引き続き、リッキーのベスト・アルバムが堂々の第一位!第6位にランクインのアルマンド・マンサネロはメキシコ音楽界の巨匠で、ルイス・ミゲルにも秀逸なラブソングを多数提供しています。(余談ですが、数年前、メキシコシティの某日本料理屋できれいなお姉さんとお食事してました。すごく背が低くて、人懐っこそうなおじチャンでした。)注目は今週初登場のヘニタリカ。メキシコ北部・モンテレイ出身のバンドで、セックスやドラッグといった過激なテーマがウリ。今後どこまで順位を伸ばすか気になるところです。 次はシングル・ランキング。 【ラテン・シングルTop10】(TV Azteca調べ 4/21-27) 1.Cupido/Martin Ricca (マルティン・リカ/アルゼンチン) 第一位のマルティン・リコは、メキシコ最大のテレビ局「Televisa」(テレビサ)の人気ドラマから飛び出した子役アイドル。声変わり前のクリスタル・ボイスが魅力です。5位にランクインのグロリア・アウラは若干15才。(大人っぽいです、ハイ)この曲が収録されたアルバム「グロリア・アウラ」は、スペインとメキシコシティでレコーディングされ、米国の超人気アイドル、ブリトニー・スピアーズやインシンクの楽曲を手掛けた大物プロデューサーも参加しました。今後の活躍に期待! いかがでしたか? 第1回目はこれで終わりです。コーナー改善のため、皆様からのご要望・ご感想をどしどしお待ちしております。それではまた来週! |
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