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「会社を辞めたら、何ヶ月かは絶対海外をフラフラしてこようと思ってました」 就職して7年。マルコメさんは“長旅”への欲求を感じていた。毎年のように海外旅行に出かけてはいたが、長くても1週間が限度だった。そんなある日、勤務先の某広告代理店で「早期退職者制度」が適用されることになった。応募資格は30才以上。大学を一浪していたマルコメさんは、年齢条件をギリギリ満たしていた。再就職のアテもあった。いずれは会社を辞めて、家業のせんべい屋を継ぐことに決めていたのだ。 「仕事、お金、人間関係、その他数え切れない雑務。私の場合はタイミングが良く、どうぞ行って下さい、というような状況でした。」(「Viaje-旅の記録-」より) ためらうことなく身をまかせた追い風は、彼を“魅惑のラテンアメリカ世界”へと導いた。 【グァテマラのスペイン語学校、ペルーでの運命的な出会い、アマゾンで見た満天の星空】 最初に選んだ国はグァテマラ。現地家庭にホームスティをしながら、3ヶ月ほどスペイン語の語学学校に通っていた。その後、半年間をかけてコロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、ブラジル、チリ、アルゼンチンを訪問。さらにはアフリカ・アジア諸国にまで足を伸ばし、文字通りの長旅となった。 「スペイン語を学ぶことにしたのは、大学3年の時にロンドンに行きまして、そこでスペインの女の子と知り合いになったのがきっかけです。もう不純でしょ(笑)。ただ、グァテマラで語学学校に通ったのは、(長旅をするにあたっての)周りに対する言い訳みたいなものでしたけど。でも、やってよかったと思ってます。」 実はマルコメさん、筋金入り(?)の美人好き。“ラテンアメリカには美人が多い”という説に惹かれて、ラテンアメリカ行きを決めたという噂も…。そんな彼曰く、最も美人が多かったのはアルゼンチンだったそう。『J-Latino』のViaje(旅)コーナーでは各国の写真が楽しめるが、お気に入りの一枚はやはり美女とのツーショット!? 「ブラジルも美人は多いですけど、その倍ぐらいスゴイ方々がいらっしゃいます(笑)。その点、アルゼンチンはレベル高いです! これに関しては、ブラジルに在住していた私の知人も同意見。ちなみに旅行中知り合った中で一番かわいかったのは、チリのアマンカイちゃんでしょう(笑)。」 この長旅で一番印象に残った国を訊いてみた。前回インタビューのメグメグさんに引き続き、“美女の宝庫・アルゼンチン”かと思いきや… 「なんと言ってもペルーですね。友達がたくさんできたというのが一番ですが、食べ物おいしいし、物価安いし、見所たくさんあるし。去年里帰り(?)してきたのですが、やっぱり良かったです。その次はグァテマラですかね。風景をあえて選ぶなら“アマゾンで見た満天の星空”かな。」 マルコメさんは、リマへの移動中に立ち寄ったトルヒージョという町に1ヶ月近くも滞在している。「旅に出会いはつきもの」だが、マルコメさんはこの町でとびきり素敵な出会いをしたようだ。ふと目について入ったチョペリア(居酒屋兼食堂みたいなもの)でビールを注文した彼は、いきなり「日本人ですか?」と日本語で話し掛けられビックリ。声の主ロシオさんは2年ほど日本で働いたことがあり、彼女のご主人セサルさんは日系3世だった。話は大いに盛りあがり、ビール一杯のはずが夜中までの大宴会。翌日は自宅に招待され、彼らの家族や知人たちとも仲良くなった。それからは“飲めや歌えやの日々”を満喫。ペルーは第2の故郷とも呼べる大好きな国になった。 1996年10月、マルコメさんは1年と4ヶ月振りに日本に降り立つ。最後に訪れたマカウで原因不明の高熱にかかり、予定していた台湾行きを断念しての帰国だった。彼は旅日記のエピローグを次の言葉で締めくくっている。 「旅に出ましょう。できたらひとり旅。めんどくさい事や大変な事もあるかもしれないけど、その倍くらい楽しい、おもしろい事がある(と思う)。行けばなんとかなるもんです。行ったもん勝ち」 【HP開設から最初のリニューアル、そして中南米マガジン・金安氏との出会いまで】 長旅の疲れが癒えた頃、ホームページの制作に取りかかることにした。ガイド本や関連サイトを参考に、約1年半にも及んだ放浪の記録をパソコンに落し込んでいった。 「一番最初にHPを開設したのは、確か97年の終わりごろでした。それは単に“旅の記録”だけだったのですが、何せそれ以降、長期の旅をしてないので、ネタがない(苦笑)。結局ほとんど更新しなかったんですね。そこでテーマを“旅”から“ラテン”に変えたのです。」 1999年9月9日、“旅の想い出ページ”は“ラテンアメリカ情報サイト”として再スタート。当時のサイト名は“Ay! Que Rico! El Mundo Latino”で、日本語に訳すと“ラテン世界はすごくイケてるぜ!”といったニュアンスである。 また、同じ日に、彼の手掛ける姉妹サイト『「中南米マガジン」公式サイト』も仲良くデビューを飾った。リニューアルにあたって愛読誌「中南米マガジン」の紹介を載せることを思いつき、発行人・金安氏に連絡を取ったところ息投合、公式ホームページの立ち上げを担当することになったのだ。 「紹介だけのつもりがサイトを制作することになりました。中南米マガジンではよくあるシステムです(笑)。」 【目標はラ米と日本の二重生活!! 更なる展開を求めてサイト名変更とドメイン取得へ】 今年の4月4日、マルコメさんのサイトは2度目のリニューアルを遂げた。覚えやすいようにと、サイト名を“J-Latino”に変更し、ドメインも取得した。その意図するところは? 「リニューアルするにあたっての目玉として予定していたのが、日本人宿ネットワークなんですよ。しかし現状はちょっと難航しております。これに関してはあまりあせらずにやっていこうかなと。ネットワークという以上、やっぱり七割ぐらいの宿には参加していただかないと、それ以降の展開ができないんですよね。ただ将来的には日本とラテンアメリカを半年づつ行ったり来たりというのが理想です。具体的にまだアテはないのですが…。」 産声をあげたばかりの「日本人宿ネットワーク」だが、データは着実に追加更新されている。ネットワーク確立後の展開が楽しみだ。 【中南米マガジンと協力タッグ、共同企画第1弾!は“オリジナルTシャツ”の販売】 先ごろ、両サイトおよび「中南米マガジン」誌上にて、「中南米マガジン」のロゴ入りオリジナルTシャツの販売がスタートした。デザインは全4種類で、サイズも各種揃っている。この企画を最初に提案したのはマルコメさんで、創刊以来「中南米マガジン」の表紙を担当している安齋氏がデザインを手掛けた。他にも水面下にて共同プロジェクトが進行中。現在実施している「中南米マガジン」誌やオンライン上での読者アンケートを活用し、広告獲得のための営業資料や販促ツールの作成にも力を入れていく意向だ。もと広告マンの手腕に注目したい。 最後に、メキシコの印象について訊いてみたところ… 「ごめんなさい。メキシコはよく知らないんですよ。カフェ・メヒコさんを見て勉強します(笑) 93年に訪れた時は、3日ぐらいしかいなかったんです。コスタリカに行く途中でちょっと寄ったというかんじだったので…。ただ知人がいるので、なんとか来年あたり行きたいとは思ってます。」 【Cafe Mexicoからマルコメさんへの3つの質問】 ◎人生謳歌の必須アイテムは? 「お酒」、「キレイなお姉さん」、「誰にも邪魔されない時間」 「“誰にも邪魔されない時間”というのは、別に一人で物思いにふけるということだけではなくて、好きな音楽を聴いたり、本を読んだり、体を鍛えたり、何か好きなものに没頭できる時間を持つということです。ちょっとカッコつけすぎすかね(笑)。」 ◎お気に入りな、ラテン映画ベスト1は? 『ハモン・ハモン』 ベネチア映画祭で銀獅子賞を獲得したスペイン映画(1991年/ビガス・ルナ監督)。近年ハリウッドで活躍するペネロペ・クルスが出演している。息子とその恋人を別れさせたい母親が、男を雇って息子の彼女を誘惑させるというこの映画、タイトルの“ハモン”は“ハム”のこと。ちなみにマルコメさんは生ハムが好物だとか。 ◎初めて衝撃を受けた、ラテン音楽アーティストは?
J-Latino ◎以下の雑誌にマルコメさんのサイトが掲載されます。こちらも要チェック! 「ISIZE 月刊PC相談室」特別編集(リクルート発行) |
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