■ 音 楽 を 楽 し む ■
他のラテンアメリカ諸国同様、メキシコ人の生活に音楽はかかせない。
CDの普及が定着して久しいが、庶民の生活レベルからすれば価格的に安いとは言えず、いまだカセット・テープの需要も多い。
人気アーティストの場合、海賊版がすぐに出まわる。アイドル系を中心に音楽雑誌も充実。

 たえずラテン音楽シーンをリードしているメキシコ。数え切れないほどのメキシコ人アーティストが、スペインや他のラテンアメリカ諸国で輝かしい成功を収めている。その活躍は、グラミーのラテン音楽部門や2000年にスタートしたラテングラミーの受賞者リストを見れば一目瞭然。近年は、ロック、ポップ、ラップ部門での活躍が目立っている。踊りにかかせないサルサ、メレンゲ、クンビア、メキシコならではのマリアッチ、ランチェロス、ボレロス、ノルテーニョといったジャンルも、国内を中心に幅広い支持を得ている。

 音楽業界にとって、メキシコは最も注目する市場のひとつ。スペイン語圏を制覇したいなら、まずはメキシコを制すべし、なのだ。そのため、あらゆるジャンル(とくにラテン系)のCDが手に入る。実際、海外公演にやってくる大物アーティストは後を絶たないし、活動の拠点をメキシコに置いている他国出身のアーティストも多い。あのリッキー・マーティンやルイス・ミゲル(デビュー後にメキシコ国籍を取得)はその典型的な例といえよう。ともにプエルトリコ出身の彼らは、メキシコに育てられたと言っても過言ではないのだ。彼らのようにマイアミでも火がつけば、その認知度はやがてアメリカ全土へと広がり、世界進出も夢ではなくなる!

 こうした現象は、以下の理由に拠るところが大きい。

1) 市場の大きさ

 人口一億人あまりを擁するメキシコは、消費の規模からして無限の可能性を秘めている。

2) メキシコ最大のテレビ局「テレビサ」の存在

 複数のチャンネルを持ち、その莫大な資本とネットワークを武器に、国内外アーティストを積極的に取り込んでいる。ビデオクリップを中心としたMTVもどきの音楽番組、多様なアーティストが出演する生放送のエンターテイメント番組、人気歌手が主演または出演するドラマ(当然主題歌はヒットする)など、数多くの番組が海外でも放映されるため、その影響力は計り知れない。出版社やレコード会社も所有している。


【CDを買いたいなら】
1)全国チェーンの大型スーパーマーケット

「GIGANTE」(ヒガンテ)、「COMERCIAL MEXICANA」(コメルシアル・メヒカーナ)、「AURERRA」(アウレラ)
が有名。

2)デパートの音楽売場

「LIVERPOOL」(リベルプール)「PALACIO DE HIERRO」(パラシオ・デ・イエロ)「SANBORNS」(サンボンズ)などが有名。

1)2)とも、最近では試聴コーナーを設置する店舗が増えている。
また、全品対象のセール(15%〜50%引き)を頻繁に行っているので要チェック。

3)専門ショップ

「MIXUP」(ミックスアップ)「TOWER RECORD」(タワーレコード)が有名。
店舗数で言えば、「MIXUP」が圧倒的に多い。大型ショッピングモールなら、たいていどちらか出店しているはずだ。メキシコシティだと、歓楽街「ZONA ROSA」(ソナ・ロサ)に大型の路上店舗を構えている。必ず試聴コーナーが設けられているので、是非とも利用しよう。