一期一会 ドクロ・命の木編

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シティにある博物館で見つけた、「命の木」と「死者の木」。写真でうまくごらんいただけるか分かりませんが、中央にあるのが「命の木」で、両側にあるのが「死者の木」です。「命の木」には、植物や動物が盛りだくさんにあしらわれ、文字通り命を讃えていますが、両側の死者の木は、骸骨の周りに頭蓋骨がちりばめられています。

命の木(生命の木)は、この写真以外にも、様々なものがあります。シンプルなものからゴーシャスなものまで、大きなものから小さなものまで、本当にいろいろです。題材としては、メキシコ人の信仰を表すもののようですが、詳しいことは勉強不足なため記述できません。ごめんなさい。ただ、おみやげとして安値で買えるものではなく、主には博物館などで展示されているようです。作られている場所も、あまり広範囲ではないようで、メキシコ州のメテペックやプレブラ州のイスカル・デ・マタモロス、アカトランなどが主な産地のようです。

特筆すべきは、色彩の鮮やかさ!そして、想像力!私が見た命の木は、高さは私の背丈ほど(150Bくらい)で、この迫力。身動きできなくなるほどでした。作品から、生きていることに対する喜びとでもいったらいいのか、なにか体の底からこみ上げてくるものがあります。本当に、圧巻です。神々しいものさえ感じます。(こういうとき、言葉とはなんと無力なものだろうと感じてしまいます。自分の感じたものの、何一つ皆さんにうまく伝えることができません。私の未熟さもあるのですが・・・)

でも、私の心をつかんで離さないのは、「命の木」よりも「死者の木」なのです。死者の木の骸骨たち、なんて楽しそうな顔をしているんでしょう!絶対に、死後の世界でもブイブイいわせてる顔です。メキシコでは、よく骸骨をモチーフにしたものを見かけます。特に、死者の日には、骸骨であふれると言っても過言ではないでしょう。なんとなく、メキシコを語るのに、この“ガイコツ”たちをはずすことはできないように思うのです。メキシコで出会う人たちは、みんな楽しむことがとっても上手。きっと、この世を去っても、相変わらず楽しく踊って、楽しく歌っているんだろうなと、この死者の木の前で、思わずにやけてしまいました。この作品と出会ったとき、凝縮されたメキシコを見たような気持ちになりました。皆さんも、機会があればぜひごらんになってください。

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