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■■ ボリビア 映像制作集団“ウカマウ” ■■

ホルヘ・サンヒネス監督を中心に1960年代より活動を始め、40年にわたって、ボリビアを中心にアンデス地域の先住民(インディヘナ)の生の姿を描き続けている。

ブラジルで「シネマ・ノーヴォ」と呼ばれる映画運動(外国映画の影響を排した新たな映画作りを目指す)が起こった1960年代。ボリビアでも国民の過半数を占める先住民が主人公の映画づくりを目指そうというグループがいた。彼らの長編第1作目『ウカマウ』(1966)は評判を呼び、それがそのままグループの呼び名となる。特に初期の作品はストレートな政治メッセージを込めたものが多く、“ウカマウ”は1971年軍事クーデターで亡命を余儀なくされる。合計10年間近く亡命先の、チリ、ペルー、エクアドルなどで制作・上映活動を続けた後、1982年民主化で帰国、現在も国内で制作・上映・配給活動を続ている。

日本では、現代企画室の太田昌国氏が中心となり1980年より日本での自主上映を続け、「地下の民」「鳥の歌」を共同制作している。

詳しくは現代企画室サイトのウカマウ集団のページで。
http://www.shohyo.co.jp/gendai/ukamau/

鳥の歌
原題
PARA RECIBIR EL CANTO DE LOS PAJAROS
製作
1995/ボリビア
監督 ホルヘ・サンヒネス
出演 ジェラルディン・チャップリン/ホルヘ・オルティス/ギド・アルセ、リネス・エルバス
内容 ボリビアの一映画制作集団が、16世紀にアンデス社会にやってきたスペイン人遠征隊に関する映画の撮影を開始する。目的は、スペインによる“征服”という歴史を批判的に捉えること。だが、彼らは無自覚のうちに、批判の対象だった征服者たちと同じ行動をとっていたことに気づく……。
メモ ウカマウ集団が1969年に『コンドルの血』を制作した時に体験した事実に基づいて物語が構成されている。
喜劇王チャップリンの娘で国際的女優ジェラルディーン・チャプリンが主演。

地下の民
原題
LA NACION CLANDESTINA
製作
1988/ボリビア
監督 ホルヘ・サンヒネス
出演 レイナルド・ユフラ/オルランド・ウアンカ/デルフィーナ・ママニ/ロケ・サルガド他ボリビアの人々
内容 主人公はボリビア高地出身のアイマラ人、セバスチャン。彼は長年暮らした首都ラパスを去り、生まれ故郷の村に戻ることを決心した。彼はかつて、理由あって村を追放され、そこに戻ることは、村の伝統的な掟からすれば、石責めによる死を意味しているのだ。「死の踊り」を象徴する大きな仮面を背負って帰郷の旅を急ぐセバスチャンは、その途中で何度も、自分の人生の岐路となった事件を回想する。現在と過去が入り組み、セバスチャンのアイデンティティの危機を描く。
メモ スペイン、サンセバスチャン映画祭グランブリ
ウカマウ集団の代表作。

第一の敵
原題
EL ENEMIGO PRINCIPAL
製作
1974/ボリビア
監督 ホルヘ・サンヒネス
出演 ペルーの先住民たち
内容 フリアンは地主に盗んだ牛を返してくれるよう頼みに行くことを決意した。家族の静止も聞かず、逆に家族を引き連れて地主のところへ直訴しに行ったフリアンだったが、怒った地主に首をはねられてしまう。それに怒った村人たちは地主を捕まえて判事のところへ連れてゆくのだが、判事もまた地主の味方をし、逆に村人たちは捕らえられてしまう。そんな村に休息を求めに偶然やってきた反政府ゲリラ。果たして彼らと村人たちが共同し、地主を倒すことができるのか・・・。
メモ 亡命先のペルーで制作

コンドルの血
原題
Sangre de Condor
製作
1969/ボリビア
監督 ホルヘ・サンヒネス
出演 ウカマウ集団とボリビアの農民たち
内容 3人の子供を亡くし、それ以後子供も生れなくなってしまったアンデス地方の先住民の村長のイグナシオは、多くの子供が死に、多くの村の女に子供が出来なくなってしまった自体を危ぶみ、周りの村にも調査をする。そこで浮き上がってきたのは、すべての不幸は北米人の診療所ができて以降に起こってきたということだった。 
メモ 米国の「平和部隊」(政府援助組織)が秘密裏に行っていた不妊手術(実話)を告発するウカマウの長編第2作。
ヴェネチア映画祭金舵賞