ルイス・ブニュエル監督
Luis Bun~uel
1900年スペイン生まれ。フランスでシュ-ルレアリズム(超現実主義)に傾倒。画家ダリと組んだ「アンダルシアの犬」(1928年)で監督デビューし、前衛映画の先駆者的存在となる。83年没。
「ブニュエル映画」としかジャンル分けできない独特の作風で、スペインが生んだ20世紀を代表する鬼才の一人と評されている。シュールレアリスティックな映像と、不条理なストーリー展開・・・ただし内容は小難しいものではなく、奇抜な発想や人間の狂気に対する痛烈な風刺など、ユーモアにも富み娯楽性十分。しかしブルジョアと結びつく教会に対し批判的であったため、カトリック大国である故国スペインを追放された。一時期はメキシコに移り住み、18年間で20作品を制作。ここではメキシコ時代の作品を中心に、スペイン・フランス合作品など数点を紹介。どれをとってもブニュエルの映画は一度見たら忘れられないものばかり、ホント強烈だ。
グラン・カジノ
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原題 |
GRAN CASINO
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製作
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1946/メキシコ
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出演 |
リベルタ・ラマルケ 、ホルヘ ネグレーテ 、メルセデス バルバ 、アグネスチン イスンサ |
内容 |
歌謡メロドラマ。アルゼンチンからメキシコにやってきた歌姫メルセデスの兄が失踪。その背後に石油業者の陰謀があることを知った彼女と使用人の奮闘がイキイキと綴られる。 |
メモ |
メキシコでの第一作目・・ランチェロの巨匠ホルヘ・ネグレテ起用。しかし不評だったのか(?)、この後2年間ブニュエル廃業状態。 |
忘れられた人々
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原題 |
Los Olvidados
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製作
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1950/メキシコ
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出演 |
アルフォンソ・メヒア / エステラ・インダ / ロベルト・コボ / アルマ・デリア・フェンテス |
内容 |
メキシコシティのスラムに生きる少年を中心とした人々の暮らしをシリアスに描く。 |
メモ |
カンヌ映画祭監督賞受賞 |
エル
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原題 |
El
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製作
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1952/メキシコ
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出演 |
アルトゥーロ・デ・コルドバ / デリス・ガルセス / アウローラ・ワルケル |
内容 |
フランシスコはグロリアの魅惑的な足に一目惚れし、フィアンセから彼女を奪って一緒になる。グロリアは結婚して初めて、彼の病的な行動に気づく。(嫉妬と妄想にまみれたストーカーの愛?)) |
嵐が丘
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原題 |
Abismos De Pasion
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製作
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1953/メキシコ
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出演 |
イラセマ・ディリアン / ホルヘ・ミストラル / リリア・プラド / エルネスト・アロンソ / ルイス・アセベス・カスタニェーダ |
内容 |
ご存じエミリー・ブロンテの小説も、ブニュエルの手にかかれば・・・・ |
幻影は市電に乗って旅をする
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原題
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La Ilusion Viaja en Tranvia
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製作
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1953/メキシコ
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出演 |
ギリェルモ・ブラボ・ソーサ/リリア・ブラド/カルロス・ナバロ/フェルナンド・サト |
内容 |
とある豪邸で開かれた晩餐会。ふと気付くと「何故か」屋敷から出られなくなった上流階級の客達、狭い空間、焦燥感、飢えの中で彼らは次第に理性を失っていく。 |
ナサリン
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原題 |
Nazarin
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製作
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1958/メキシコ
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出演 |
フランシスコ・ラバル / マルガ・ロペス / リタ・マセド / ヘスス・フェルナンデス |
内容 |
主人公(神父ナサリオ)の流浪と巡礼をドンキホーテ的妄想に重ねて描く。 |
ビリディアナ
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原題 |
Viridiana
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製作
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1961/スペイン
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出演 |
シルビア・ピナル / フェルナンド・レイ / フランシスコ・ラバル |
内容 |
ビリディアナという尼僧は伯父に犯されてしまう。ショックを受けた彼女だが自らの信仰の道は捨てず、町の貧しい人たちの自立のために働くのだが・・・過激な内容と描写で、スペイン政府から反宗教映画としてフィルムの回収を命じられた。 |
メモ |
カンヌ映画祭グランプリ |
皆殺しの天使
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原題
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El Angel Exterminador
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製作
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1962/メキシコ
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出演 |
シルビア・ピナル / エンリケ・ランバル / ルシー・カジャルド / エンリケ・G・アルバレス |
内容 |
市電をクビになりそうな車掌と修理工の2人が、夜中にこっそり電車を動かして街中を走るファンタジックな物語。ちょっとだけと思って走らせたつもりが、ひとくせもふたくせもある乗客たちにつかまって・・・・ |
哀しみのトリスターナ
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原題 |
Tristana
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製作
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1970/仏=伊=スペイン
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出演 |
カトリーヌ・ドヌーブ / フェルナンド・レイ / フランコ・ネロ |
内容 |
1920年代のスペインが舞台。16才の孤児トリスターナは没落した貴族のドン・ロペに引き取られる。義父となったドン・ロペはやがてトリスターナを女としてみるようになる。(なんとはなしに怖い話・・・・) |
メモ |
ドヌーブ、御年27歳。ブニュエルとのコンビは「昼顔 」(1966/仏)に続き2作目。 |
欲望のあいまいな対象
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原題 |
Cet Obscur Objet Du Desir
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製作
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1977/仏=スペイン
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出演 |
フェルナンド・レイ / キャロル・ブーケ / アンヘラ・モリーナ |
内容 |
ブルジョワ老紳士は親子ほども年の違うスペイン人の女中コンチータに熱をあげる。しかし彼女は乙女のようにも娼婦のようにも見える不思議な女性。彼女に振り回され続ける爺さんの飽くなき欲望(性欲)が描かれている。 |
メモ |
ブニュエルの遺作 |
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