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2005.04.17号(建築)

■■ さかぐちとおる メキシコの教会 
第3回 これぞ芸術!教会施設の数々 ■■

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さかぐちとおるさんのプロフィール

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メキシコの教会はとても色鮮やか。バロックやゴシックの建築様式に先住民文化の要素が入り、教会の外観から内装まで芸術的なものが見られます。今回はメキシコ各地にある、そうした教会施設の数々を紹介します。

グアダルーペ教会(プエブラ州、プエブラ)

プエブラ旧市街には、至る所に教会が建っています。この街ではタラベラ焼きの生産が盛んで、建物によっては外観や内部にタイル装飾が施されています。教会にもそうした装飾が見られ、なかでもグアダルーペ教会は、とても色鮮やかなタイルが全面に施されています。


サンタ・ロサ・デ・ビテルボ教会(ケレタロ州、ケレタロ)

ケレタロ旧市街西側の外れには、一見イスラム寺院を思わせるような独特な造りの教会が建っています。内部の礼拝堂は大理石で覆われ、側面全体には黄金の装飾が施されています。向かいの公園には植木が配されており、教会の堂々とした造りを引き立てているようです。


オコトラン教会(オアハカ州、オコトラン・デ・モレロス)

州都オアハカの南20kmの所にある村。中央広場近くには、外壁が黄色と青で塗られている独特な色合いの教会が建っています。敷地内は庭園になっていて並木もあり、教会とそれを取り巻く景観を作り出しています。教会内部では伝統衣装を着た女性たちが祈りを捧げていました。


サン・ディエゴ教会(グアナファト州、グアナファト)

グアナファトに行ったことがある人なら、この光景に見覚えがあるはず。マリアッチ楽団の演奏が響き渡る中心部のラ・ウニオン公園前ではよく絵画が売られていて、正面に建つサン・ディエゴ教会の色合いも映えて、ちょっとした野外美術館のような様相を見せています。


ドロレス教区教会(グアナファト州、ドロレス・イダルゴ)

州都グアナファトから北東に55kmの所にある歴史的な街。ミゲル・イダルゴ神父はこの教会で独立宣言の大演説をし、それがきっかけで独立戦争が始まりました。教会外観は2つの塔や正面のチュリゲラ様式の彫刻が美しく、また内部には黄金の装飾が施されています。


カテドラル(モレロス州、クエルナバカ)

1520年代に造られたメキシコ最古の教会施設の1つ。建設当時は先住民が反乱を起こしたため、塀を高く築いて防戦したそうです。そのため一見、要塞を思わせるような強固な造りをしています。同じ敷地内に3つの教会施設があり、季節によっては花々が咲き乱れて美しい姿を見せます。


サント・ドミンゴ教会(プエブラ州、プエブラ)

教会内に併設されたロサリオ礼拝堂。祭壇から柱、壁面まで細かな浮き彫りで装飾されており、全体が金箔で覆われていて、その宗教美術の凄さに圧倒されます。祈りを捧げる人がひっきりなしに出入りしており、ろうそくが何十本も供えられていて、神秘的な様相を見せています。


サン・フランシスコ修道院(サカテカス州、サカテカス)

16世紀に築かれたサン・フランシスコ教会と修道院が建っていましたが、現在では廃墟と化しています。しかし遺跡のような教会施設の跡をうまく利用して、芸術性を感じさせるような美しい庭園に整備されています。敷地内には、仮面を展示した博物館が併設されています。


ドミニコ・デ・ラ・ナビダー修道院(モレロス州 テポストラン)

首都メキシコからバスで1時間ほど、テポストランという村には16世紀中頃に造られたドミニコ会の教会施設があります。この修道院跡は現在は博物館になっていますが、廊下の天井部分に赤い模様の壁画が見られ、教会建設当時に近い状態で残っています。


(文と写真・さかぐちとおる)

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さかぐちとおるさんプロフィール

神奈川県出身。中央大学法学部卒業。
テレビ局の関連団体に4年間勤務。退職後はフリーの著述家・編集者として活動している。
『地球の歩き方 メキシコ』をはじめ旅行誌の取材執筆、編集などを手掛けており、中南米やスペイン、ポルトガルを幅広く取材。著書に『キューバ音楽紀行』(東京書籍)がある。

●NHKテレビスペイン語会話 4月号より新連載『カタルーニャ印象のかけら』が始まっています。 

●山と渓谷 4月号 特集グラビア『南米チリ・ボリビア アンデス 塩と砂漠の高原を行く』(p147-151)が掲載されました。

●地球の歩き方中米 '05-'06の編集を担当されています。


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